佐咲紗花が語る、10年の活動とアニメ/特撮ソングカバーへの思い

佐咲紗花、10年の活動とアニメ/特撮カバーへの思い

 佐咲紗花が、1月29日にアニメソング、特撮ソングのカバーアルバム『SAYAKAVER.2』をリリースした。今作は、デビュー10周年を迎える彼女の幕開けとなる作品で、2015年3月25日にリリースしたカバーアルバム『SAYAKAVER.』の第2弾となる。今回のインタビューでは、各楽曲の制作に加えて、前作からの変化、10年のアーティスト活動について聞いた。(編集部)

愛と勇気と正義を教えてくれるもの 

ーー今回のアニメソング、特撮ソングのカバーアルバム『SAYAKAVER.2』は、佐咲さんのデビュー10周年企画第1弾としてリリースされるわけですよね。

佐咲紗花(以下、佐咲):10周年をどのような1年間にしようかという中で、私がしたいことをいろいろ上げていったんですけど、ちょうど5周年の時に出したカバーアルバムを5年ぶりにもう一度リリースしたいという提案がプロデューサーからあって進んでいきました。

ーー『SAYAKAVER.』は、今振り返ってみて佐咲さんにとってどのような作品になりましたか?

佐咲:タイトルを『SAYAKAVER.』としたのはダブルミーニングがあって、紗花のカバーと紗花バージョン(Ver.)という意味で付けているんです。ただカバーするということではなく、原曲へのリスペクトとその中に私らしさを忘れないようにという意味で。前回は特に海外のファンに向けた作品で、海外でも知名度が高い曲をというのがコンセプトにあったんです。それから、海外イベントに行く度に必ずその中から選曲するようにしていたので、反応を見ていても楽しかったです。この5年間で、ファンの方々からの「『SAYAKAVER.2』が出る時はぜひこの選曲をしてほしいです」という声もたくさんいただいていて、みんなの中にも『SAYAKAVER.』が浸透していてくれたなというのは実感としてありました。なので、またもう一枚出させてもらえるとなって、私が30曲近くプレゼンした上で、チームの中でラインナップとして「こういう曲も欲しいよね」「今のタイミングだからこの曲がいいよね」といった意見をジャッジしていって、一緒に選曲していきました。

ーー今回の収録曲「THE HERO !! 〜怒れる拳に火をつけろ〜」(原曲:JAM Project/『ワンパンマン』)は、海外でも人気のある楽曲ですよね。

佐咲:この曲はまた海外のファンにも楽しんでもらいたいという思いと、尊敬するJAM Projectさんのかけ合いの多い構成をひとりで演じる面白さも表現できたらいいなという思いで選曲しました。

ーーそれでは、特ソンの「Hands」(原曲:オーイシマサヨシ)にはどのような思いがあったのでしょうか?

佐咲:2018年の夏にスタートしたオープニングテーマだった『ウルトラマンR/B(ルーブ)』を観始めてから、この曲の〈決して明日を諦めない〉という歌詞に救われたんです。その頃、自分の活動の中で私はこのくらいしかできないのかなと思い始めていたところで、この曲を聴いて自分に対して諦めることを辞めようと思ったんです。その諦めない気持ちが、昨年の『アニサマ』(『Animelo Summer Live』)へ出演に繋がったり、昨年放送の『ウルトラマンタイガ』でエンディングテーマ「ヒトツボシ」を担当することが決まったり、ずっとプラスの影響をもらっている楽曲です。

ーー改めて、佐咲さんにとってアニメ、特撮とは?

佐咲:愛と勇気と正義を教えてくれるもの、自然と好きなもの、側にあるもの、です。

ーーなるほど。カバーアルバムと言えば、たくさんの先輩方が出されていますよね。

佐咲:中でも特に遠藤正明さんの『ENSON』シリーズが大好きなんです。遠藤さんが歌うとどんな曲調でも一発で遠藤さんバージョンになる楽しさがあります。もともと好きだった曲を遠藤さんが歌うことによって、こんなに新しい世界が見えるんだなというところが大好きで、そんな世界を私も1枚のアルバムの中で表現することができたらなと思いました。カバーアルバムは、いつもとは毛色の違う楽曲を歌えるという意味では、いろんな自分の試してみたい楽曲を選曲できるというのが、シンガーとしての幅、可能性を持つためにもありがたい機会だなと思います。

ーーアルバムを聴いていて印象的だったのは、楽曲によって変化していく佐咲さんのボーカルでした。レコーディングはどのように進んでいったのでしょうか?

佐咲:5年前の『SAYAKAVER.』では、ほとんどの曲を私のチームのディレクターがして下さっていましたが、今回はいろんな表現の可能性を探すために、出来るだけその楽曲の編曲者さんにボーカルディレクションをお願いしたので、普段私を録ってないからこそ「もっとこういう風にできるかな」「こういう風なのも聞いてみたいな」というリクエストに応えながらのレコーディングになりました。あまり自分でこうしようというよりかは、皆さんの導き、アレンジにお応えしていきました。

ーーそれは『SAYAKAVER.』を経て、見えた歌い方への課題でもあった?

佐咲:私が知らず知らずの内に染み付いてしまっている癖、原曲に添い過ぎるところを引き剥がしてもらうということでもありました。私自身が大好きで選曲しているからこそ熱量が高いんですけど、アレンジャーさんたちは「この曲はこう表現したいんだよ」という提案をしてくださって方向を示してくれる。私バージョンとして完成させることを目指している、両者がいて今回の出来になったのかなと思います。

ーーアレンジャーの方と意見がぶつかり合うことは?

佐咲:あまりなかったです。私の年齢が大人になったのもあって、デビュー当初の「私はこうだもの」という自分から、「もっと違う私が出てくるアプローチがあったら教えてください!」という風になれたかもしれないですね。前はもっと意固地になっていた気がします。

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