新しい地図は人生を遊ぶ大切さを教えてくれるーーローラが出演した『ななにー』ホンネトークから考える
稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による、月1度のレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)』(通称:『ななにー』)が、今月もやってきた。23回目を数える今回は、草なぎが主演した舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』の千秋楽が終わったばかりの、KAAT神奈川芸術劇場よりスタートした。
早速バスに乗り込み、東京・お台場へと移動。その車中のトークこそが大きな見どころになるのが、『ななにー』らしさ。舞台を見た稲垣と香取が興奮冷めやらぬ様子で感想を述べると「2人とも見てるねー。やっぱ同業者だね!」と草なぎが嬉しさと照れくささが混ざったような反応を見せる。そんなやりとりを、見られるのもこの番組ならでは。まるで同じ車内で聞いているような感覚になれるのが、他にはない距離感だ。
そして、到着したお台場で待っていたのは、草なぎ、香取とは『笑っていいとも!』で、そして稲垣とも『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)内のコーナー「BISTRO SMAP」で楽しい思い出を共有してきたローラ。稲垣は「お兄ちゃんに似てる」という驚きの発言もあり、ますますトークが盛り上がる。
現在は、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に、日本へは毎月1週間ほど帰国するという生活を送っているというローラ。レストランバスでのホンネトークでは、一時期メディアへの露出が増え、「忙しくて、自分が誰なんだろうって思ってた」と振り返った。自分の本来の夢は、いろいろな国に訪れ、たくさんの人と会うこと。いつしかそれができなくなってしまうほどの忙しさに、戸惑いを覚え「仕事も全部なくなっちゃってもいい」という覚悟で、日本を離れる決意をしたと話す。
「今は全然後悔してない」とイキイキと話すローラを見て、新しい地図を広げた3人と近いものを感じたのは筆者だけではないだろう。自分が自分らしく生きるために、一度ゼロになる覚悟で一歩を踏み出すということ。もちろん、自由になるには、同時に安定を捨てるリスクが伴う。
だが、それも覚悟の上で踏み出した一歩は、例え最初は風当たりが強く感じても、きっと自分の納得する道に繋がっていく。今、自分の目で見つめてきた世界各国の美しい世界について、楽しそうに話すローラを見て、「親しみやすさ」や「愛らしさ」といったこれまでの彼女のパーソナルなイメージに加えて、「自分の人生をクリエイトする強さを持った人」という新たな魅力を発見した人も少なくなかったのではないだろうか。
きっと、彼女が大切にしているという「直感」や「確信」は、常に自分自身の足で歩んでいないと、研ぎ澄まされないもの。毎日やらなければならない(と思い込んでいる)ことに縛られていては、自分が本当にしたいことも、何を大事にしているのかも、見失いそうになってしまう。だからこそ、ちょっと遠回りかもしれないけれど、あえていつもと違う道を歩いてみたり、労力がかかるけど普段はしないようなことにチャレンジしてみたり……そんな刺激を自ら作り出すことで、人生の感度が上がる。
もしかしたら、稲垣、草なぎ、香取にとって、この『ななにー』という時間こそが、その刺激のひとつとなっているのかもしれない。なかなか会えなかった人と再会すること。その相手と何をして遊ぼうかと考えること。その結果、思いもよらぬ展開に新しい自分に出会うこと……。そして、それを見る私たちNAKAMAも、「自分の人生を遊ぶ」ということの大事さに気付かされる。