キュウソネコカミ、the telephones、サンボマスター、NUMBER GIRL…2020年アニバーサリーイヤー迎えるバンドに注目
バンドというコミュニティは人と人が寄り集まって作られる。その歩みには紆余曲折がつきものだ。だからこそ、活動が続くというのは祝福すべき事実であり、アニバーサリーイヤーはバンドにとってもファンにとってもそのかけがえなさに向き合える年なのだ。本稿では2020年に節目を迎えるバンドを紹介したい。
10周年:キュウソネコカミ、赤い公園、indigo la Endら
キュウソネコカミはねずみ年に結成10周年という幸運なる偶然に恵まれた。1月9日には地元・西宮での凱旋ワンマンを開催、1月29日にはインディーズ時代の楽曲の再録も収めたミニアルバム『ハリネズミズム』も発売され、4月からは全47都道府県を隈なく回る対バンツアー、6月14日はインテックス大阪での10周年記念ワンマンライブも決定している。ニッチな着眼点やエネルギッシュなパフォーマンスをブレさせることなく、フェスでトリを務めることも多くなってきた彼らだが、ライブハウスこそが主戦場。対バン相手に牙を剥く本来の姿を目撃できるだろう。
赤い公園は1月4日に初ライブから10年を記念する自主企画を行う。2018年に新ボーカリスト・石野理子が加入し、2019年10月に新体制初CD『消えない - EP』を発売。1月29日には新体制初シングル『絶対零度』もリリースする。2019年末の冬ツアーではすでに数多くの新曲が披露されていた。現在、ソングライターである津野米咲(Gt/Cho)は石野の歌声に引っ張られるように楽曲を生み出しているという。新体制での初アルバムのリリースも近いかもしれない。
10年間で幾つものバンド/プロジェクトを牽引してきた川谷絵音。その原点たるindigo la Endは、2月24日に結成10周年を迎える。繊細なギターロックバンドという出自を持ちながら普遍的なポップスや凝ったリズムワークを追求するなど、時期ごとに変幻自在に音像を進化させてきたこの10年。3月15日には初となるBillboard LIVE TOKYOでの公演が決定。このライブを経て起こる新たな変貌が楽しみでならない。
他にもCzecho No Republicが結成10周年イヤーを迎え、3~5月に新曲の配信、初夏には6枚目のアルバムを発表する予定だ。また、デビュー年数で言えばSEKAI NO OWARIが10周年を迎える。秋からは初となる4大ドームツアーが行われる予定だ。ドレスコーズ・志磨遼平は毛皮のマリーズでのメジャーデビューからカウントし10周年。キャリアを総ざらいする東名阪ツアーを春に行う予定となっている。
15周年:the telephones、SUPER BEAVER
15周年という節目で活動を本格再開させるthe telephonesは、5月に盟友たちとの対バンライブが決定。2019年はメジャーデビュー10周年を記念してライブ活動を行なってきたが、2020年には新アルバムの制作も開始すると石毛輝(Vo/Gt/Syn)はブログで宣言している。2019年に発表された4年ぶりの新曲「Light Your Fire」は、どっしりとしたビートに艶めかしいシンセが渦巻く、大人の色気と従来のバンドらしさが共存した1曲であり、新アルバムへの期待を煽ってくれる。
1月12日に代々木競技場第一体育館でのライブを控えるSUPER BEAVERも、結成15周年を記念しての催しを多く用意している様子。第一弾としてスタンディング会場とホールをまじえたツアーを4月から開催予定だ。音の塊と言葉を心に叩き込む大きな歌の力を様々なスタイルで味わえるツアーになり得るはず。その他にも、tacicaが結成日の4月5日に15周年記念公演『象牙の塔』を開催予定だ。