MAN WITH A MISSIONが生み出す、“歌モノ”の魅力 『Mステ』歌唱の「Remember Me」などから考える
ミドルテンポ/バラード系に移ると、先述した「RAIN OF JULY」もこの括りに入るし、2ndアルバム『MASH UP THE WORLD』収録の「フォーカスライト」、「時代」と穏やかなテンポで聴かせるこれらの佳曲も見逃せない。また、3rdアルバム『Tales of Purefly』収録のカントリー風味の「Searching life」は異彩を放っているし、4thアルバム『The World's On Fire』タイトル曲は心が洗われるようなメロディが絶品。ほかに5thアルバム『Chasing the Horizon』収録のバラード曲「Find You」も感動的なナンバーだ。曲名に表れている通り、どこまでもあなたを見つけに行くから、と切々と訴える歌詞が胸に沁み入る。
こうして振り返ると、デビュー時から今日まで"歌もの"ナンバーを数多く生み出していることがよくわかる。それこそバラードは日本人は静かに聴く傾向にあるが、海外では大声で歌い上げ、一緒に参加することを楽しみの一つにしていることが多い。Metallicaの人気曲の一つであるバラード「Nothing Else Matters」は海外ではシンガロングの嵐が巻き起こり、大きな盛り上がりを見せている。日本はもちろん、世界で闘うためにはみんなで歌えるシンガロングチューンは欠かせない。マンウィズは自分たちが聴いて育った洋楽から、"歌もの"の良さを自然と吸収しているのかもしれない。これを機に“オオカミ”たちの過去作に遡って、あなたにとってのシンガロング曲を見つけるのも楽しいだろう。
■荒金良介
99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。メタル/ラウド/パンク/ミクスチャーなど激しめの音楽を中心に、雑誌/WEBを軸に書いてます。今年、自分が音楽を聴くきっかけになった漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦先生に六本木で偶然すれ違い、心臓が飛び出るほどビックリしました。その昔、荒木先生が少年『ジャンプ』の作者一言コメント欄で、レッド・ツェッペリンをお薦めしてて、それをきっかけに今では音楽ライターをやっています。人生はわからないものです。