Jewel、結成10年で放った最高の輝きーー『Jewel First Tour ~Unveiling~』ファイナル公演を見て

Jewel初の全国ツアーファイナル公演レポ

 Jewelの全国ツアー『Jewel First Tour 〜Unveiling〜』が、12月14日に品川インターシティホールでファイナルを迎えた。Jewelに改名して初、J☆Dee’Z時代を含めて自身最大規模となる全9公演で開催されたツアーで、この日は生バンドによる迫力ある演奏と共に、パワフルなパフォーマンスでファンを魅了。Jewelとしての大きな一歩を踏み出したステージになった。

三位一体で聴かせるハーモニーとダンス

 「アシタノアタシ」で幕を開けたライブ。Jewelに改名して最初のシングル『前へ』に収録の楽曲で、ファンキーなサウンドに合わせてマイクスタンドを斜めに倒すなどしてポーズをキメる。続いて爽快な前向きソング「Dream Arch」、ノリのいい「カラフルジャンプ」へと続く。「カラフルジャンプ」は観客は手振りを一緒に踊り、〈ジャンプ〉という歌詞に合わせて会場中が一斉にジャンプした。

 1曲目からキレのあるダンスと共に、ソウルフルでエモーショナルな歌声を次々と聴かせた3人。Nonoは艶のある歌声でフェイクを聴かせ、amiは真っ直ぐで力強く、そしてMOMOKAはそれらを包み込むような抱擁力でまとめあげる。Jewelの音楽は、どれか一つ欠けても成立しない、三者三様の歌声が一体となって生み出されるものだ。それがよく表現されたのが「I'm with You」だ。

 「I'm with You」は、改名後第2弾シングル『夢が夢じゃなくなる日まで』に収録のナンバー。美しいハーモニーで始まる楽曲で、歌詞では、鏡越しにアイコンタクトを取りながら、徐々に心を一つにして動きがシンクロしていくような、まるで3人のレッスン中の様子が歌われている。少ししっとりとしたシンプルなサウンドで、それだけにメリハリや、ボーカルのエモーショナルさがいっそう際立つ。こうやってメンバー同士が感じ合いながら、Jewelのパフォーマンスは出来上がっていくんだなということが、よく伝わってくる楽曲だ。この曲は撮影OKで、観客は一斉に携帯のカメラを向けて、3人のパフォーマンスを目と携帯に焼き付けた。

 中盤はお馴染みのソロコーナーで会場を沸かせた。まずamiは、ショッキング・ブルーの「Venus」を披露。サイケデリックなサウンドのロックナンバーで、シャウトするように歌うボーカルが印象的。amiはギターのメンバーと背中合わせになってリズムを取ったり、まるでロックスターのようだ。次に登場したMOMOKAは、テイラー・スウィフトの「Shake It Off」をカバー。Jewelの世代なら誰でも知っている人気曲に、会場にはうれしそうに手拍子をする観客の姿が広がった。Nonoはアリアナ・グランデの「Baby」を歌って観客を沸かせた。amiとMOMOKAが傍らでコーラスを担当し、息のぴったり合ったハーモニーで聴かせた同曲は、実に聴き応えがあった。

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