『夢が夢じゃなくなる日まで』インタビュー
Jewel×ダンサー KANATA 特別対談 J☆Dee’Z時代からの変化と新たに挑戦する表現「ダンスに対する考え方が変わってきた」
Jewelが、最新シングル『夢が夢じゃなくなる日まで』を11月27日に発売した。表題曲は、バスケットボール女子日本リーグ“Wリーグ”公式応援ソング第3弾を務めており、MVではフリースタイルバスケ、BMX、スケートボードといったアスリートと共演している。
リアルサウンドでは、BoAや三浦大知、w-indsなどのバックダンサー、リオオリンピックの閉会式ダンサーも務めた経歴を持つダンサー/振付師のKANATAを招き、メンバーとの対談を企画。KANATAは、前作シングル曲「前へ」から今作の表題曲とカップリング「I'm with You」でもコレオグラファーとして参加しているほか、メンバーに月数回のプライベートレッスンも付けているという。一流アーティストとも共演するダンサーから見た3人の特性、Jewel改名後の振付の変化など、ダンスについてたっぷりと語ってもらった。(編集部)
第一印象は「もっとガツガツ踊れそうなのに」
ーーNonoさんが「KANATAさんに振り付けをしてほしい」と希望を出し、それが叶う形でKANATAさんが「前へ」の振付を担当することになったらしいですね。過去にはレッスンを受けたこともあるとか。
Nono:Instagramで色んなダンス動画を見ている時にKANATAさんの動画を見つけて、「かっけー!」と思ってレッスンを受けに行ったです。ちょうどそのタイミングで次の作品の振付師さんを探していたので、私からメンバーとスタッフさんにKANATAさんの映像を紹介して、オファーさせていただくことになりました。
ーーKANATAさんはそのオファーを受けてから実際に3人に会うまで、MVなどを見てどういう印象を受けましたか?
KANATA:「もっとガツガツ踊れそうなのにな」と思いました。そこに加えて「かっこいい振付を踊りたい」というリクエストもいただいていたので、彼女たちをイメージしつつ、今までと違ったテイストがハッキリわかるような振付・構成を意識しました。
ーー初めて会った時の印象はどうでした?
KANATA:初めて会った時は「可愛いらしい子たちだな」と思いましたね。初めて振り落としをする時に、3人の元々持ってるポテンシャルが高くてびっくりしたのも印象に残っています。
ーー逆にJewelの3人はどうでした?
MOMOKA:顔合わせの時に、「普段はどんなジャンルを踊ってる?」とか、そういう話をした記憶があります。
ami:私は太陽みたいな人だなと思いました。
Nono:なんだろう……めっちゃ陽キャ?
KANATA:陽キャっていうんだ(笑)。
ami:MVの撮影現場にも来てくださったり、アドバイスまでしていただいたので、すごく心強かったです。
Nono:女性としても憧れるし。
KANATA:あらー! 私も3人が大好きです。
ーー振り落としをしてみて、改めてわかったメンバーの特徴は?
KANATA:3人ともダンス経験が長いので、全体としては覚えるのがすごく早くて驚きました。Nonoは、この子の年齢からしたら考えられないくらいの表現力を持っていて。表情や首の出し方が素晴らしいんですよ。
Nono:恥ずかしい(笑)。
KANATA:amiは、最初に振り落としする時は少し苦戦するタイプだけど、伸びしろがかなりあって。冷静だったところから、急にバンと爆発的に緩急をつける時のダンスがすごく得意なんです。
ami:思わずニヤケちゃいますね(笑)。
KANATA:MOMOKAは、「ここフリーで動いていいよ」って言った部分の動きが上手で、すごくアドリブ力のあるパフォーマンスをしてくれるんです。個性や苦手なところも違いますし、3人が一緒に私の振り動画を見て合わせてくれてるから、すごく統一感が出て、ダンスがよりパキッと見えやすくなりました。あと、3人に共通するのは表情の付け方がすごく上手なところ。MVの撮影になると、みんなスイッチが入ったみたいに切り替わってカッコいいんです。
Nono:たしかに、この3人はオーディションで集まったので、スクールも全然違う場所でしたし、それぞれの得意ジャンルも違っていました。J☆Dee’Zの頃も動きを揃えることは意識していたんですけど、お互いに「これがいいと思う」「私はこれ」と、ぶつかることも多かったんです。その頃と比べると、明らかに3人の統一感は強くなっていると感じました。
ami:ようやくグループになったって感じですかね。
身体のラインを綺麗に見せられるようになった
ーーJewelになってからの振付は、パッと見てわかるくらいに変化していますが、KANATAさんが振り付けする上で意識したポイントは?
KANATA:見る人が「カッコよく踊ってるなー!」と思うような振付を考えました。それに加えて、メンバーみんなもダンスに対しての意識をかなり変えて取り組んでいて……振り付けの方向性を変えたことも大きいんですが、どちらかといえば3人の「ダンスを魅せるぞ」という意識が目で見てわかるくらい変わったところもあると思います。
Nono:J☆Dee’Z時代はヒップホップダンスをメインにしつつ、歌詞に合わせた振りや動きをすることが多かったんです。歌詞のメッセージ性や、汗をかくような必死さをどう伝えるか、という点に重点を置いていたんです。Jewelになってからは、それに加えてさらに同世代でダンスをやってる子たちにも「この振付かっこいいな」「Jewelはダンスがうまいな」と思ってもらえるように意識しました。
MOMOKA: KANATAさんの振り付けでは身体のラインを綺麗に見せられるようになったと思います。そういう部分も目で見てわかる変化かもしれませんね。
ーーamiさんはどうですか?
ami:KANATAさんから受けるレッスンは、ずっとワクワクしちゃうんです。最後、KANATAさんと一緒に踊る時間があるんですけど、これまでは一緒に踊るというより、振り付けを写して、その後の揃える作業は私たちでやる、という感じだったんです。でも、KANATAさんと踊るときはダンスレッスンに近くて。一緒に踊った映像を見ると、「こんなに違うんだ」って気付いたんです。音の取り方も全然違うし、私の動きが速く見えたり、大きく動く箇所も「ただ大きく動いてるんじゃなくて、ここは小さいけどここは大きいんだ」と思ったり。
ーー毎回の密度がすごく濃いものなんですね。
ami:振り写しの時点で2、3回くらいレッスンを受けたんですけど、毎回最後の映像を見るのが楽しみでした。
MOMOKA:確かに、KANATAさんのレッスンを受けてから、撮った映像をコマ送りして見ることが多くなったね。お手本というか見本みたいな方と一緒に踊ってるから。KANATAさんと自分との違いを見つけられるようになったんだと思います。
ーー前作の「前へ」と今作の「夢が夢じゃなくなる日まで」のMVを見たときに、J☆Dee’Z時代と大きく変わったと思ったのは、LOCK’IN的な動きーー止めて動くの動作のメリハリがしっかりついているところでした。
KANATA:おおー! まさにそうなんです。
ami:先生からレッスンの時も「止めて! 止めて!」ってすごく言われました。
Nono:あと「ここは抜いて」みたいなのもあったよね。
KANATA:「緩急をつける」ことを徹底したのは間違いないです。ダンスの見え方って、それだけでもだいぶ変わってくるので。止めてから動く瞬間も、見ている人からすると「おお!」となるポイントなんですよ。