Juice=Juiceは、女性の多様なあり方を肯定するーー単独公演で見せたグループの“今”
光沢のあるセクシーな衣装に着替え、「CHOICE & CHANCE」など盛り上がるナンバーが続き、会場には歓声があがる。金澤朋子の色気ある歌声にはパワフルさが加わり、高木紗友希ののびやかな歌声は会場のキャパに全く負けず、植村あかりの表情の豊かさに見惚れ、宮本佳林の完璧アイドルぶりに磨きがかかり、「Fiesta! Fiesta!」で段原瑠々の一発で会場中を撃ち抜くような歌い上げに震えた。ダンストラックのかっこよさもハーフツインの可愛いさもモノにしている稲場愛香、新メンバーの工藤由愛、松永里愛はフレッシュながら約半年前に加入したとは思えない凛々しさだった。楽しみにしていた、新生「GIRLS BE AMBITIOUS」はまばゆいほどのきらめきを放ち、会場が大合唱。Juice=Juiceには明るい未来しかないと痛感した。
今の時代、ジャンルよりも自分らしさが尊重される。しかし、アイドルだけ時代に取り残されていないだろうか? そんな問いを8人は払拭する。セクシーもクールも可愛いも、一生懸命な女の子は誰も皆美しいこと、多様であることは豊かであることを証明してくれているように思うのだ。歌詞に登場する、弱さとたくましさが同居する自立した女の子の姿は、まさにJuice=Juice本人たちなのだろう。自分の人生は自分の好きなように生きたい! そう叫ぶような力強いパフォーマンスで、女の子の多様なあり方を認めたくなる、肯定感溢れるステージだった。新曲「Va-Va-Voom」の歌詞が彼女たちと重なる、“さあ進め、欲深く、調子乗って。まだ全然本気を見せてない。さあ行くよ、さあ強く”。きっとJuice=Juiceは「最強」という評価に甘んじることなく、これからも邁進していくのだろう。女の子の表情はくるくると移り変わっていい。覚悟を決めてひたむきな努力ができる人は、どんな表情もとびきり美しいのだと勇気を受け取った一夜だった。
■羽佐田瑶子
ライター。映画会社、訪日外国人向け媒体などを経て、現在はフリーのライター、編集。関心事はガールズカルチャー全般。主な執筆媒体はQuick Japan、She is、テレビブロス、CINRA.NETなど。Twitter
■セットリスト
『Juice=Juice Concert 2019 〜octopic!〜』
2019年12月4日(水)東京 国立代々木競技場第一体育館
1.「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
2.プラトニック・プラネット(新曲)
3.ロマンスの途中
4.シンクロ。
5.風に吹かれて
6.銀色のテレパシー
7.如雨露
8.TOKYO グライダー
9.Borderline
10.微炭酸
11.あばれてっか?! ハヴアグッタイ
12.地団駄ダンス
13.愛のダイビング
14.生まれたての Baby Love
15.Va-Va-Voom(新曲)
16.Never Never Surrender
17.私が言う前に抱きしめなきゃね
18.CHOICE & CHANCE
19.Fiesta! Fiesta!
20.GIRLS BE AMBITIOUS
21.Magic of Love(J=J 2015Ver.)
22.「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?(New Vocal Ver.)
23.未来へ、さあ走り出せ!