m-flo、20年の長い旅路は“KYO”のためにーー原点から未来までを体感したアニバーサリーライブ

m-flo、20年の長い旅路は“KYO”のためにーー原点から未来までを体感したアニバーサリーライブ

 m-floが5年ぶり9枚目となるオリジナルアルバム『KYO』を提げて、11月22日〜23日にZepp Tokyoにて開催した20周年ライブ『m-flo 20th Anniversary Live “KYO”』は、多面的な魅力を描き出す新旧30曲のパフォーマンスの中に、彼らが歩んできたドラマティックな道筋と豊かな音楽性が溢れ出る、メモリアルな2Daysとなった。

 ステージの上方に設置された横長の巨大スクリーンに、オレンジ色のサークルが表示されると、アルバム『KYO』の冒頭と同じように英語のナレーションが流れ始め、サークルがその音声に合わせて動き始める。会場を埋め尽くした幅広い層のファンたちが、これから始まるミュージックジャーニーへの期待に大きな歓声をあげた。ステージは二段組になっており、後列には☆Taku TakahashiのDJ機材をはじめ、シンセサイザーやドラムセットが組まれている。前列は、LISAとVERBALがパフォーマンスを披露する場だ。DJミキサーのインジケーターのようなLEDが、ステージを横断して上下に4本配置されていて、まるでセット全体がひとつのシステムのようだ。

VERBAL

 いよいよメンバーが登場すると、VERBALの「Zepp Tokyo!」という叫びとともに『KYO』からm-flo流のトラップソング「E.T.」がドロップされる。初披露される最新型のm-floの姿に、オーディエンスからは早くも大歓声が巻き起こった。そのまま、2001年に“21世紀へのアプローチの曲”というテーマで発表された「prism」、2018年に“火星旅行”というテーマで発表されたダンスチューン「MARS DRIVE」で、会場は一気にm-floワールドへと誘われる。新旧織り交ぜたセットリストは、この日のために☆Takuを中心に練り上げられたもので、緩急を付けながらオーディエンスを熱狂させるそのDJ的手腕も、m-floのライブならではの魅力となっていた。

 続く「juXtapoz」では、歌心のある変則的なトラップビートの上で現在のLISAのテクニカルなボーカルを聴かせ、2000年リリースの「How You Like Me Now?」では色鮮やかに当時の記憶を蘇らせる。そして、アーバン&メロウなジャパーニーズ・ヒップホップ/R&Bの名曲「been so long」では会場全体での大合唱となり、フロアは早くも1度目のピークを迎える。驚くべきはオーディエンスの反応で、幅広い年齢層のファンが一体となってm-floの楽曲を歌っている姿に、メンバーたちも笑顔が止まらない様子。m-floがこうしてステージに立つ姿を、誰もが心待ちにしていたのだ。

 LISAが自ら書いたにも関わらず、「次の曲は難しい、失敗したらもう一度やるね」と言って披露されたのは、高度なリズム感覚を必要とするラブバラードの新曲「EKTO」。オーディエンスの温かい反応に自信を得たこともあったのだろう、LISAはその難曲を完璧に歌い上げ、大きな拍手喝采を浴びた。

LISA

 インストのビートによるインタールードを挟んだ後は、”loves”シリーズのコーナーへ。”loves”シリーズは、LISAの脱退後、毎回異なるゲストボーカルを迎えるというコンセプトで活動していた頃の楽曲群で、日本の音楽シーンにおいてフィーチャリングという手法の可能性を提示したことでも評価されている。ステージに現れたのは、これまでに複数回、同シリーズに参加してきたEmyli、YOSHIKA、日之内エミの3人。LISAも含めた4ボーカルで「love comes and goes」を歌い上げた。さらに、”loves”アーティストたちと、跳ねるようなビートがファンキーな「Loop In My Heart」、The 45 King「The 900 Number」を大胆にサンプリングしたことでも話題となった「DOPEMAN?」を続けて披露。会場をお祭り状態にしたところで、盟友・Crystal Kayが登場し、同シリーズがスタートするきっかけとなった「REEEWIND!」をはじめ、「Love Don’t Cry」「Boyfriend -partII-」と、懐かしの楽曲もドロップ。盛大なファンファーレで幕を開ける超パーティーチューン「gET oN!」では、VERBALがGoProから提供されたという超ロングセルフィー棒を使って、さらに観客を煽る一幕も。☆Takuがブースから下段のステージに降りてきてラップを披露すると、盛大な歓声が巻き起こり、Minami(CREAM)を迎えて披露されたビッグルームハウス「Perfect Place」で会場は熱狂的なダンスフロアへと化した。

 ミステリアスな雰囲気のチルトラップ「STRSTRK」からは雰囲気が一転し、再びLISAが合流。LISAは、インターナショナルスクール時代に一緒に聖歌隊で歌っていた頃から、実は☆Takuが美声の持ち主であったことを明かし、ファンから初期の隠れた名曲と謳われているm-flo流グラウンドビート「orbit-3」へ。そこからJP THE WAVYをゲストに迎えた「Toxic Sweet feat.JP THE WAVY」や、日之内エミとの「Summer Time Love」など、リラックスしたムードの楽曲を続ける。そして、ラテン界のスーパースターJ.Balvinとフィーチャリングした最新曲「HUMAN LOST feat. J.Balvin」で、初期から現在へと続く、m-floのブラックミュージックへのアプローチの歴史を見事に繋いでみせた。

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