元KARA ク・ハラ追悼 グループ加入からソロ活動までーー今贈りたい“ありがとう”の思い

 2012年にリリースしたソロ曲「Secret Love」は、これまでに紹介した彼女の魅力を凝縮したような仕上がりとなっている。恋のトキメキをつづった歌詞は彼女のイメージそのもの。“もっと近づいて話しかけようか/それともやめようか/もしかしてバレていたらどうしよう”と爽やかに歌う姿はキュートであり、繊細な表現もしっかりできているのでクオリティも高い。

KARA HARA(구하라) - SECRET LOVE (시크릿 러브)
ハラ(KARA) - シークレットラブ

 「Secret Love」は“ピュアなク・ハラ”を演出した作品であったが、2015年にリリースしたソロ名義のミニアルバム『Alohara(Can You Feel It?)』では、大人の色香が漂うサウンドメイクでガールクラッシュな路線にシフト。翌年に発表された、MBLAQ(エムブラック)の元メンバー・チョンドゥンの「Sign」でもセクシーな歌声を響かせている。音楽的な面ではこの時期がピークだったと言えそうだ。

[MV] 천둥 Thunder - Sign (Feat. 구하라 KOO HA RA)

 芸能界入りした2008年から亡くなるまでの約11年6カ月、ハラにとっていちばん幸せだった時期はいつだったのだろうか。かつて彼女にインタビューしたとき、楽しかった仕事としてドラマ『URAKARA』(2011年1月~4月、テレビ東京系列局で放送)を挙げていた。「できることなら、あのドラマのパート2をやりたい」と恥ずかしそうに語る姿が記憶に残っている。

 KARAが歌う『URAKARA』の主題歌はあらためて聴いてみると、亡くなった彼女へのメッセージのようだ。〈心をこめて 今、贈りたい「ありがとう」〉――。この歌詞の一節を天国にいるク・ハラに捧げようと思う。

KARA - 今、贈りたい「ありがとう」

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。『ミュージック・マガジン』や『ジャズ批評』など専門誌を中心に寄稿。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著もいくつか。LOVE FM『Kore“an”Night』にレギュラーで出演中。

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