THE YELLOW MONKEY「DANDAN」は、バンドの30年間を振り返る楽曲に? 映像作家・山田健人によるMV&楽曲から考察
11月13日夜7時から『ベストヒット歌謡祭』(読売テレビ・日本テレビ系)が放送される。ToshiやWANIMA、BiSHなど今年を代表するアーティストが多数出演する番組の中でも特に注目を集めているのが、今年結成30周年を迎えるTHE YELLOW MONKEYだ。
アニバーサリーイヤーとなった今年も精力的な活動を続けるTHE YELLOW MONKEY。10月30日には結成30周年を記念した配信限定シングル「DANDAN」をリリースした。今作はTHE YELLOW MONKEYがこれまで歩んできた道のりが垣間見える楽曲となっている。
ドラムンベースのビートから始まる楽曲は、軽やかなギターリフとシンプルな構成でどこか懐かしさすら感じられるアレンジが印象的だ。30年間という長いキャリアの中で様々な音楽性を呑み込み、貪欲にその姿を変えてきたTHE YELLOW MONKEYが、このタイミングでこれほどまでにシンプルでありながらファニーな楽曲をリリースすること自体がとてもクールでロックンロールバンド的なように思える。
楽曲はもちろん、リスナーの間で注目を集めているのがそのMVだ。今作のMVを手掛けたのは、数々のミュージシャンの映像作品で監督を務める映像作家・山田健人。2017年の東京ドーム公演(『THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2017』)でのオープニング映像を手掛けて以来、THE YELLOW MONKEYのライブ映像なども担当してきた山田によるMVには、THE YELLOW MONKEYのリスナーなら思わずニヤリとしてしまう仕掛けが多数隠されている。
MV本編は、レコーディングブースのような場所で演奏するメンバーの姿から始まる。堂々たる演奏を見せるメンバーを躍動的に捉えたシンプルな映像から一転、大サビ前Bメロ辺りでセットの背景が大きく開き、これまでTHE YELLOW MONKEYがリリースしてきた楽曲の歌詞やMVにちなんだモチーフが散りばめられたセットへと変化するのだ。
MVの中でモチーフとなっている楽曲は、「パール」、「球根」、「JAM」そして「バラ色の日々」の4曲。菊地英昭(Gt)の足元にあしらわれている目のような模様は「パール」のMVに登場しているものとよく似ており、菊池英二(Dr)の背後には文字通り“球根”模様の壁が配されている。さらに、廣瀬洋一(Ba)の後ろには「バラ色の日々」をモチーフとした壁紙も確認することができる。
セットの中でも最も広い範囲を占めている部分には印象的な赤いペイントが施してあるが、これは「JAM」の歌詞にちなみ、監督を務めた山田が自ら本物の“ジャム”を使って描いたアートがあしらわれているという。