ユナイト、DIMLIM、ラッコ、nurié……既存の価値観広げる“ネオ・オサレ系”なバンド

 “オサレ系”は、ヴィジュアル系のサブジャンルだ(オサレはオシャレの俗語)。ファンによる俗称のため明確は定義はないが、よくみられる共通点は3つ。

(1)カタカナやひらがなのバンド名
(2)原宿系ファッションに通じるカラフルで奇抜な衣装
(3)ティーンの心情をつづったような歌詞

 西洋的で、黒く、ダークだったそれまでのヴィジュアル系と大きく異なる彼らは、2000年代前半に大流行した。

 そのきっかけとなったのはBAROQUE(当時はバロック)だった。2001年に活動を開始した彼らは、2本のデモテープののちに、オサレ系の金字塔となる『東京ストリッパー』を2002年に発表した。一連の作品に収録されている「あなくろフィルム」や「イロコイ」は、昭和歌謡風のメロディとシャッフルビートという、ブラックミュージックと関連する要素が特徴の曲だ。これは当時珍しい音楽性で、確かに“オサレ”に聴こえた。

 さて、2010年代に入り、フュージョンやファンク、R&Bといったブラックミュージックを代表とする“オサレ”な要素を積極的に取り入れているバンドが、ファンの注目を集めている。今回は、そんな“ネオ・オサレ系”ともいえる彼らを紹介していく。

ユナイト

ユナイト『NEW CLASSIC』

 “オシャレ”を実際に掲げたネオ・オサレ系の正道ともいえるのが、ユナイトが2018年に発表した『NEW CLASSIC』だ。重低音を効かせたテクニカルな演奏を、キラキラとしたポップネスに昇華するのを得意とするユナイト。本作では「オシャレな感じ(引用元:Tune Gate)」を目指したという発言の通り、R&Bからファンク、ミュゼット、フューチャーベースなどを駆使して、彼らの思う”オシャレ”を具現化している。一部の曲の参照元として、俗にいうKawaii Future Bassに類するアーティストや、ハロー!プロジェクトを挙げている点が独特だが、”可愛らしさ”はオサレ系の特徴のひとつだったこともあわせると、それも文脈に沿っていることがわかる。

ユナイト(UNiTE.)「隕石系スタジオパンダ」MV(Full Ver.)

DIMLIM

 同じ”オサレ”な表現でも、2017年始動のDIMLIMが目指す境地はユナイトとはまったく別のところにある。彼らは「vanitas」や「離人」で、フュージョンに通じるギター表現を、激しく混沌としたメタルに導入し、その苛烈ながら消え入りそうな独特の存在感をさらに強めた。彼らにはデスコア/ジェントという下地もあるが、ジェントは欧米でもフュージョンと繋がっている。そうした文脈を、ヴィジュアル系で独自に体現しているという点でも注目だ。

DIMLIM – 離人 (MV FULL)

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