DEZERT、DADAROMA、DEVILOOF……“Dの称号”受け継ぐヴィジュアル系メタルバンド

 D。それはヴィジュアル系で特別な価値を持つアルファベットだ。古今東西、多くのバンドが登場し、シーンに強い影響を与えてきた。

DEZERT『血液がない! /Call of Rescue』(通常盤)

 メタルに限ってみても、それは顕著だ。

 たとえばDEAD END。80年代のジャパメタシーンに属しながらも、独自の価値観を作りあげ、のちのヴィジュアル系の原点となった重要なバンドだ。90年代後期に現れたDIR EN GREYは、00年代前半のシーンにニューメタル化を引き起こした。その後もメタルコアやプログレッシブメタルなどを取り込み、いまなお後続に多大な影響を与えている。00年代後期に始動したDELUHIも忘れてはならない。3年間という短い活動期間ながら、キャッチーな曲の中でテクニカルな演奏を展開し、ヴィジュアル系メタルバンドを志す者たちの憧れとなった。

 このように、時代の節目に“Dの称号”を持つバンドが現れ、ヴィジュアル系メタルという分野に大きな爪痕を残してきた。そこで今回は、2010年代に結成された“Dの称号”を受け継ぐヴィジュアル系メタルバンドを紹介する。

DEZERT

 2011年に結成され、今や現行シーンを代表するDEZERT。活動当初は、ニューメタル的重低音と湿ったメロディ、グロテスクな歌詞といった00年代初頭を思わせる音楽性はもちろん、傍若無人とも言える活動姿勢も話題だった。D’ERLANGERら先輩バンドとの交流が深まった理由には、そうした姿勢も関係していたようだ。2016年発表の『「最高の食卓」』は、そんなバンドの性質が音楽性と強く結びついた傑作になっている。

「君の子宮を触る」MV / DEZERT

 2018年、大手レーベル<MAVERICK>へ移籍しての『TODAY』では作風が一転。もともと持つメロディの良さを活かす曲に、より伝わりやすい歌詞が乗った作品となった。彼らは、7年間の活動で意識が変わり、遊びの延長ではなく人生としてバンドを考えたと語っている。彼らが“沼”と例えるシーンから“大海”へと泳ぎ出るための行動の結果が『TODAY』であり、それを届けるための<MAVERICK>への移籍だったと考えられる。

2018.08.08発売「TODAY」全曲試聴

 2019年8月に出演予定の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』はいわば“沼”の外だが、果たしてどのようなライブになり、どのような共振が起きるのだろうか。

DADAROMA

 “狂ったピエロ”のようなよしあつ(Vo)、異世界の亜人を思わせる太嘉志(Gt)、獣王のごとき咆哮を挙げる諒平(Dr)、そして“怪人”朋(Ba)からなるDADAROMA。奇術師集団ともいうべき強烈な見た目から繰り出されるのは、ニューメタル、メロデス、エレクトロメタルコア、あるいはデスコア……00年代から10年代のメタルを自在に横断する曲たちだ。そして、ワルツやシャッフル、シンセアレンジを巧みに駆使して、その幅広いサウンドをヴィジュアルイメージと接続している。

DADAROMA「デンドロビューム」MV Spot

 ヴィジュアル系の「なんでもあり」な部分をメタルというフィールドで存分に引き出しながら、ヴィジュアル面との相互作用で統一イメージを保つ彼らは、ヴィジュアル系メタルの1つの理想形といえる。

DEVILOOF

 DEZERTやDADAROMAは幅広さの中に“らしさ”を醸すバンドだった。一方で、デスコア/デスメタルを追及する中で幅広さを取り入れているのがDEVILOOFだ。

 『PURGE』で歌メロなしのサウンドを追及した彼らは、2017年『Devil’s Proof』、そして2019年『鬼』で音楽性を拡張。サウンドはさらに激化しつつ、ラップやドライブ感のあるリズム、叙情的なメロディを取り入れ、ヴィジュアル系デスコアを洗練させた。その独自性から海外の人気も高く、CDJapanのチャートで5位を記録している。

DEVILOOF – Dusky-Vision (Official Music Video)

 アートワークをブルータルデスメタル界で有名な江川敏弘に依頼している点も、デスコア/デスメタルという方向性への本気度が伺える。今後も、音楽とヴィジュアル両方の面で、ヴィジュアル系デスコアを進化させていくだろう。

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