blackbear「hot girl bummer」に込められた本当の意図は ロングヒットに至るまでの背景を解説

blackbear - hot girl bummer [official music video]

 当のblackbearは「hot girl bummer」をパロディではないと弁明したものの、当該ツイートは後に削除され真相は闇の中。曲に込められた意味をMVで探ってみると、操り人形にされるところだったblackbearが最後に逃げるという物語になっています。操り人形はまるで、blackbearがミーガン・ジー・スタリオンを非難しているに違いない! と頭に血がのぼった人たちの攻撃対象を指すかのよう。何かを頑なに信じて疑わず、噂や嘘を信じてまでも敵への攻撃を厭わない人の存在には、アメリカだろうと日本だろうと関係なくうんざりするわけで、Fワードを用いて心情を吐露するblackbearには共感してしまいます。

 最後にFワードについて。日本では比較的どころかかなり緩やかであり、たとえばリリースされたばかりの星野源「Same Thing (feat. Superorganism)」でも用いられています(ただし、今月放送された『おげんさんといっしょ』(NHK総合)でこの曲が披露された際、Fワードはさすがに伏せられましたが)。一方、海外の楽曲でFワードが用いられる場合には曲名にEマークが表示されます。これはFワード等露骨な表現が含まれた楽曲に表示される「EXPLICIT」マークであり、聴き手が自分の責任で聴取する/しないを選択することが可能。アメリカでは昔から音楽の露骨な表現に寛大な一方、CDジャケットでもマークを提示してきました。個人的には、取捨選択させず上から制限を強要するのではなく、ユーザーに委ねるこの方式に賛同します。その方が、なぜ露骨な表現が含まれているものが敬遠されているのかを自発的に考えるきっかけになるはずです(Spotifyでの対応についてはこちらに記載あり)。

■Kei
チャート愛好家。青森県弘前市のFMアップルウェーブ『わがままWAVE It's Cool!』(毎週日曜17時)スタッフのひとり(DJネームはブレストコナカ)。音楽/ラジオに関するブログ【face it】を日々更新中

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