森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.173
MWAM、WANIMA、宮本浩次、赤い公園、オカモトコウキ……ロックサウンドを追求した最新作
独自のミクスチャーサウンドを進化させながら、世界を舞台に戦い続けるMAN WITH A MISSIONのニューシングル、いまや日本のお茶の間でもおなじみとなったWANIMAのメジャー2ndアルバムなど、それぞれのロックサウンドを追求した最新作を紹介!
現在、全国17カ所を巡る『Remember Me TOUR 2019』を開催中のMAN WITH A MISSION(以下、マンウィズ)からニューシングル『Dark Crow』が到着。表題曲はTVアニメ『ヴィンランド・サガ』オープニングテーマ。バグパイプの音色で始まり、ダークかつヘビィなバンドサウンドへと移行。抑制の効いたフロウから一転、サビに入った瞬間に一気に解放される壮大なメロディライン、“孤独をひねりつぶし、運命に抗え”という意思を色濃く反映した歌詞など、マンウィズの魅力と個性が満載された極上のロックチューンだ。カップリングには、Fall Out Boyのパトリック・スタンプをフィーチャーした「86 Missed Calls feat. Patrick Stump」、キャリア初の女性アーティストとのコラボ曲「Reiwa feat. milet」を収録。ドキュメンタリー映画『MAN WITH A MISSION THE MOVIE -TRACE the HISTORY-』の公開も発表されるなど、メディアと国境を越えた躍進が続いている。
「夏のどこかへ」(『三ツ矢サイダー』2019CMソング)、「GONG」(劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』主題歌)などの大型タイアップソングを含む、WANIMAのメジャー2ndアルバム『COMINATCHA!!』。前作『Everybody!!』以降の1年9カ月で知名度を上げ世間に広まったWANIMAだが、音楽性、歌詞のメッセージ性、活動のスタンスを含め、その姿勢はまったくブレていない。そのことを象徴しているのが爆発的なテンションで突き進むメロコアナンバー「JOY」、そして、オーセンティックレゲエ直系のビートと取り入れたミディアムバラード「BOUNCE」。リスナーの日常と心情に寄り添い、鼓舞するリリックも深みを増しているが、筆者は3人に演奏能力の高さ、(じつは)洗練されているアンサンブルにこそ惹かれる。本当に上手いバンドだと思う、WANIMAは。
ソロシンガー宮本浩次のニューシングル曲「Do you remember?」は、現在公開中の映画『宮本から君へ』の主題歌であり、横山健(HI-STANDARD/ken yokoyama(Ken Band))との初めてのコラボレーションが実現した楽曲。KEN BANDのベーシストJun Gray、ソウル・フラワー・ユニオンのドラマーでもあるJah-Rahも参加し、濃密で熱量の高いバンドサウンドを実現している。中軸を担っているのはもちろん、宮本の歌。愚直なまでに愛を貫き、汗と涙と悔しさに塗れながら生きる『宮本から君へ』の主人公像と重なる歌詞を宮本は、あまりにも濃密な感情表現を爆発させながら歌い上げている。どんなに激しく叫んでも、繊細にして優しい歌心を失うことがないボーカルは、まさに彼の真骨頂だ。カップリングには、宮本が愛してやまないというThe Beatlesの「If I Fell」を宮本と横山のボーカルで歌ったカバーを収録。