雨のパレードに聞く、海外と共鳴する音楽感覚と普遍的なポップスへの挑戦

『BORDERLESS』は「スキルや表現方法がさらに多様化した」

――O-EASTのライブでは「Hometown feat.TABU ZOMBIE」をリミックスしたDos Monosがゲストで参加したり、プロデューサーだけでなく、いろんな人とコラボレートするようになったのは大きな変化だと思うんですよね。

福永：もともとプロデューサーと制作するのが嫌だったわけではないんですけど、まずは自分たちができる範囲で、自分たちで力をつけていこうっていうスタンスでやっていて、でもタイミング的に、ここでプロデューサーと一緒にやれたのはバッチリだったと思います。

――やっぱり『Reason of Black Color』を作ったことが大きくて、それまでは自分たちの城を築くべく、ひたすら自分たちだけでやってきたけど、あの作品でひとつの達成感があったからこそ、外部の人を招いて、新しい音楽性を取り入れることもできるようになったんじゃないかなって。いろんな人と関わりながら楽曲を作ることは、結果的に、今の世界の音楽シーンの流れとリンクしているようにも思います。

福永：正直にいうと意識はしていなかったですけど、結果的に世界的な音楽シーンの流れとリンクしているのであれば、それは嬉しいですね。前からいろんな人とやってみたいっていうのは思ってたんですけど、「この人なら」と思えるプロデューサーと出会う機会がなかなかなかったりして。でも、今は自分の中にいい物差しを手に入れた感覚があるので、これからは積極的にいろんな人と関わってみたいです。

――ツアーではアンコールで披露されていた「Story」も9月に配信リリースされました。友人の結婚式をモチーフに作られたそうで、ここまでの2曲のダンスミュージック的なアプローチとは打って変わって、叙情的なミディアムバラードに仕上がっていますね。

福永：もともとコード進行とメロディはあって、それを蔦谷さんに聴いていただいたんですけど……意外とこの曲は右往左往して。最初はピアノとかアコギのシンプルな感じだったんですけど、あんまりしっくりこなくて、別のリファレンスを伝えて、そこから蔦谷さんと僕らと同年代のhasamaさん(agehasprings)と一緒に音を作っていきました。エレクトロ、ゴスペル、打楽器の音色、声のリフみたいなのとか、いろんな要素が入って、一見単純なポップスからは遠ざかるような感じになったんですけど、完成したら、ディレクターが「ちゃんとポップスだったね」って言ってくれて、よかったなって。

――やはり、イントロとアウトロのゴスペルコーラスが特に印象的です。

福永：もともと結婚式のことを歌詞にしたいっていう話はしていて、いろいろイメージしていく中で、ゴスペルコーラスがあったら面白いなって。最終的に素晴らしいものができたので、「これは同年代の人たちもビックリするだろうな」って。

――流行りのデジタルクワイアじゃなくて、ガチのゴスペルコーラスですもんね（笑）。

福永：これは一石投じることができるなって（笑）。いい感じになりましたね。

山﨑：デモの段階では別のギターを弾いていたんですけど、箱モノがいいと思って、知り合いからES-335を借りて、珍しく全部フィンガーピッキングで弾きました。もともと指で、少し丸めに弾く感じのプレイが好きだったので、それを活かせてよかったなって。

大澤：この曲は生ドラムと打ち込みが混ざってるんですけど、初めて自分のドラムを自分でチューニングして叩いて、それがすごく面白くて。打ち込みと混ぜたときのことをイメージしながら、自分で音を作るのはすごく楽しかったですね。

――現在は来年1月22日にリリースするニューアルバム『BORDERLESS』の制作中とのことですが、どんなアルバムになりそうか、現時点での手応えを教えてください。

雨のパレード - BORDERLESS （Official Teaser）

福永：蔦谷さんからいろんなことを学んで、自分たちだけで曲を作るときにもそれがかなり活かされているので、「これがやりたかった」っていう感覚で曲を作れてますね。前までは音数に関して最初からあきらめていて、「この音を出したら、こっちの音は出せない」みたいな感覚で曲を作っていたんです。「この音色を使いたい」と思っても、2個シンセが鳴ってたら、無意識に印象的な方だけを取り込んで作っていて。でも実はどっちも鳴ってることが大切だったりする。これまでそういうことがたくさんあったと思うんですけど、今はそれに気づいた上でやれてるので、すごく満足してます。

――曲調もさらに広がりそうですか？

福永：昨日録ったやつなんて……（ニヤリと笑う）。

――思わず自分でも笑っちゃうような曲ができた？

福永：一回テープを出してグチャグチャにしたカセットテープにレコーディングして、それをもう一回取り込んで、データだけ残してテープは捨てて。アナログなのかデジタルなのかよくわからない録り方をした、拍なんてないような曲があったり（笑）。

山﨑：今までもいろんなアプローチでやってきたんですけど、僕らのスキルや表現方法がさらに多様化して、それが詰まったアルバムになると思うので、僕ら自身も完成が楽しみですし、待っててくれる方にも期待していてほしいなと思います。

大澤：蔦谷さんと一緒に作ることで得たものを自分たちに落とし込んで、前のアルバムよりさらにパワーアップできてる感覚はすごくありますね。

――雨のパレードはこれまで海外の新しいサウンドをどんどん取り込みながら、自分たちなりのポップスを作ってきたわけですよね。今もリスナーとしては常に新しい音を聴いて、刺激も受けてるとは思うけど、でも次の作品は自分たちがこれまで培ってきたものを、プロデューサーの力も借りながらブラッシュアップして、より広く届くものにする。そんな作品になるんじゃないかと予想していたりもして。

福永：言われてみればそうですね。レコード屋に行く頻度は減ったけど、その分Spotifyなどのサブスクがニューリリースをお勧めしてくれるから、新しいものは今も常にゲットはしていて。ただ、今まで培ってきたものの割合の方が増えてるっていうのは確かにそうかもしれない。僕的には、リブートじゃないですけど、今まで手探りでやってきて、もう一回やりたかった曲を作り直す、みたいな感覚も強くて。今思えばちゃんと形になってなかったなって曲を、もう一度作り込んでいる感じもあるんです。きっと濃いものになると思いますよ。

（取材・文＝金子厚武／写真＝林直幸）

■リリース情報
『BORDERLESS』
1月22日（水）
通常盤＜1CD＞ ¥3,000＋税　
完全生産限定盤＜CD＋BONUS CD＋GOODS＞¥4,800＋税
※完全生産限定盤に付属するボーナスCD、グッズに関しては後日発表
※収録曲数、楽曲タイトルは後日発表

＜雨のパレード 4thアルバム『BORDERLESS』発売記念早期予約キャンペーン＞
全国のタワーレコード各店（オンライン含む）およびAmazon.co.jpにて、『BORDERLESS』を下記期間内に予約した方に、スペシャル特典として雨のパレードの楽曲をメンバー自らがリアレンジレコーディングしたレア音源『BORDERLESS Special CD』をそれぞれプレゼント
対象予約期間：10月18日（金）18：00〜12月22日（日）23：59まで　
※実店舗の場合は各営業時間内となる

TOWER RECORDS早期予約特典（TOWER RECORDS 全国各店／TOWER RECORDS ONLINE）：BORDERLESS Special CD 『Hwyl (ver.2.0)』

Amazon.co.jp早期予約特典：BORDERLESS Special CD 『Dive (ver.2.0)』
※Amazon.co.jp では、特典を要望の場合は特典付き商品を購入必須
※特典は、予約した店舗にて商品引渡し時にプレゼント
※特典内容は予告なく変更となる場合あり
※一部お取扱いの無い店舗あり

＜チェーン別オリジナル先着購入特典＞
下記チェーン店、およびショッピングサイトにて『BORDERLESS』購入した方に、先着で「オリジナルステッカー」を先着でプレゼント
・TOWER RECORDS特典（TOWER RECORDS 全国各店 / TOWER RECORDS ONLINE）
オリジナルステッカー＜TypeA＞
・HMV特典（HMV全国各店 / HMV&BOOKS online）
オリジナルステッカー＜Type B＞
・TSUTAYA特典（TSUTAYA RECORDS 全国各店/ TSUTAYA オンラインショッピング）
オリジナルステッカー＜Type C＞
※TSUTAYAオンラインショッピングは予約分のみが対象
・Amazon.co.jp特典
オリジナルステッカー＜Type D＞
※Amazon.co.jp では、特典付き商品のカートがアップされます。特典を要望の場合は特典付き商品購入必須
・楽天ブックス特典
オリジナルステッカー＜Type E＞
・ビクターオンラインストア
オリジナルステッカー＜Type F＞
・その他チェーン・CDショップ特典
オリジナルステッカー＜Type G＞

＜対象店舗＞
山野楽器（CD／DVD取扱い店舗）、WonderGOO、新星堂（一部店舗を除く）、新星堂WonderGOO楽天市場店、セブンネットショッピングなど
※上記各特典ともに数に限りあり
※特典対象店は順次追加となる
※一部、特典の取扱いが無い店舗あり。事前に各店舗へ確認必須
※特典の内容・デザインは予告なく変更する場合あり

＜雨のパレード楽曲配信＞
iTunes Store／レコチョク／mora
iTunes Storeほか主要配信サイト、Apple Musicほか主要定額制聴き放題サービスでも配信中。