森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.163
Aimer、倉木麻衣、miwa、NMB48、BiS……様々な表現に挑み続ける女性アーティストの新作
山本彩卒業に伴う新体制初のシングル『床の間正座娘』に続く、2019年2作目のシングル曲「母校へ帰れ!」は、いつの間にか“大人になってしまった”と感じている人々に向けたナンバー。何歳になっても失敗するし、成長できない自分がイヤになることもある。そんなときは“母校”に戻って(=10代の学生時代を思い出して)また一からがんばればいい。あまりにも愚直なメッセージだが、真っ直ぐでピュアな雰囲気のボーカルによって、王道の応援ソングに結びつけている。前向きな気分をどこまでも高めてくれるメロディライン、ホーンの音色を取り入れたバンドサウンドは、ロックバンド・universe(現在活動休止中)の永見和也が担当。
BiSは何度でも蘇る(のか?)。今年3月に解散発表を行い、2度目の終焉を迎えた BiS が、応募総数2000人を超える候補者から選ばれた新メンバー5名で再々始動、1stアルバム『Brand-new idol Society』をリリース。攻撃的なギターロック、パンクロックを軸にしたサウンドメイク、濃密なエモーションを含んだメロディ、そして、BiSの現状とこの先のビジョンを反映した歌詞がぶつかり合う本作は、まるでドキュメンタリー映画のような臨場感、緊迫感に溢れている。軸になっているのはリードトラック「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」。〈行かなくちゃ僕ら/何度でも飲み込んでいけ/何度でも行かなくちゃ〉という“そのまんま”の歌詞にわかっていてもグッとくる。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。