茅原実里からAqoursまで…脈々と受け継がれる歴代歌姫の意志 『ランティス祭り2019』振り返る
ガルパン3人娘、Aqoursの登場も
後半には、佐咲紗花、ChouCho、渕上 舞の“ガルパン3人娘”が登場して会場を沸かせた。『ガールズ&パンツァー』は、現在『ガールズ&パンツァー最終章 第2話』が劇場上映中の人気作品。佐咲紗花は、『ガールズ&パンツァー最終章 第1話~第3話』の主題歌「Grand symphony」を歌い、圧倒的なパワーを持った歌声でスケールの大きな楽曲を熱唱。ChouChoは、映画『ガールズ&パンツァー 劇場版』主題歌「piece of youth」を披露。西住姉妹の感動シーンの映像をバックに、青春のきらめきと切なさを透明感のある歌声で爽やかに歌い上げた。そして『ガルパン』のメインヒロイン=西住みほ役の声優としても人気の渕上 舞は、「みんなのアイドル渕上 舞だよ!」と、お馴染みのハイテンションで自己紹介し、観客を渕上ワールドへと巻き込んだ。そんな3人のコラボステージでは、『ガルパン』1期のOP主題歌「DreamRiser」を披露。3人で歌い繋いでいくスタイルで、サビではハーモニーも聴かせる。最後は「パンアツァー・フォー!」と、アニメの決めゼリフを観客も一緒に叫んだ。
1日目のラストに、Aqoursが登場すると会場は割れんばかりの歓声で溢れた。まずは劇場版『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』の挿入歌「Hop? Stop? Nonstop!」を披露。スクリーンにはローマのスペイン広場でパフォーマンスする劇中の映像が流れる。客席からはかけ声がかかり、会場は一気にAqoursの世界に染まった。「Brightest Melody」では、1、2年生メンバーが劇中のライブシーンと同じように白色ベースの衣裳にチェンジする演出も。円になったり三角になったり、フォーメーションを変えながらのダンスはアニメのシーンそのまま。ファンの声援を受けて圧巻のステージを繰り広げた。「君のこころは輝いてるかい?」では、お馴染みの馬跳びのパフォーマンスも飛び出す。ファンが繰り出す合いの手も息ぴったり。ファンの熱気も最高潮に達したところで、ラストには「Jump up HIGH!!」を披露。「タオルは持っていますか?」と呼びかけ、タオルを回したり首にかけてジャンプしたりと、会場とステージが一つになって盛り上がった。
当時はメジャーのレーベルで手がけることが少なかった、PCの美少女ゲームの制作と音楽制作で一つの道を作ったランティス。その流れは、ライトノベル原作のアニメとそれにまつわるヒット曲を生み出す流れに受け継がれ、現在はその経験からメディアミックスのヒット作品を多数生み出している。そんな作品とファンを繋いできたのが、歴代のランティスの歌姫たちだ。その意志は20年の歩みと共に、Aqoursにも受け継がれていると感じる。もちろんランティスは、他にも多彩なアニメ作品やアーティストを生み出しており、それは2日目、3日目に凝縮されていただろう。しかしゲームやラノベ原作などのアニメと共に、その世界観を歌声で彩ってきた女性陣の存在は、今もランティスを支える柱の一つだ。ランティス祭り1日目は、それをまるっと端的に見せてくれた。実にランティスらしさに溢れた、意義のあるプログラムだったと思う。