s**t kingzが明かす、Da-iCE振付の舞台裏とメンバーの成長「“簡単にしよう”という発想はゼロ」

s**t kingz語るDa-iCE振付

 “ボーカルとダンスの両立”というコンセプトのもと、たゆまぬ努力と研鑽の日々を重ね、着実にシーンで頭角を表しているダンスボーカルグループ・Da-iCE。ツインボーカルの花村想太と大野雄大、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるDa-iCEは、昨年デビュー5周年を迎え、日本武道館や大阪城ホールでのワンマンライブを実現。6月6日は初のベストアルバム『Da-iCE BEST』をリリースするなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を見せる要注目のグループとなった。

 そんなDa-iCEの背骨ともいえるダンスを長年手掛けてきたのが、shoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人からなるダンスチーム・s**tkingz(シットキングス)だ。三浦大知やBoAのバックダンスを務め、EXO、SHINee、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、AAA、超特急など、国内外の名だたるアーティストの楽曲の振付を担当している。

 Da-iCEとは、デビュー前からすでに関わり合いがあり、現在も様々な楽曲の振付を担当するs**tkingzは、メンバーやグループの変化を間近で見守ってきたといえる。そんなs**tkingzメンバーに、Da-iCEとの出会いをはじめ、楽曲の振付の舞台裏、個々のメンバーの成長やこれからの期待について話を聞いた。(編集部)

Da-iCEとの出会い

左からshoji、NOPPO、Oguri、kazuki

ーーDa-iCEのみなさんとの関わりはインディーズ時代に遡るかと思いますが、出会った頃の印象は覚えていますか?

Oguri:この中では、僕が一番最初かな。まだグループ名がDa-iCEになる前、オリジナル曲もなかった頃ですね。(工藤)大輝はずっとダンスをやってきてるし、昔から知ってたんですよ。それで、「こういうグループを組みました。レッスンしてもらえませんか?」というので、最初の頃にレッスンをしました。あまりにも昔すぎて、やり取りした内容とかはあまり覚えてないんですけど……(花村)想太と(大野)雄大は加入前はダンスをやったことがなかったので、その当時のレッスンでは苦戦していて。だから頑張ってほしいなと思ってました。

shoji:僕はインディーズ時代のミニアルバム『Da-iCE』の「Stand」で振付をさせてもらったのが最初です。あと、デビュー前のツアー『Da-iCE LIVE TOUR 2013~PHASE0~』から演出を手伝わせてもらっていて。みんなすごく一生懸命で、キラキラしてましたね。練習中もみんな本気だし、「この子たち、絶対デビューしたらどんどん輝いていくんだろうな」と思ったのを覚えています。

Da-iCE(ダイス) - TOKI -Da-iCE Official Dance Practice-

NOPPO:僕は最初が「TOKI」かな。振り入れしたときにみんなが「うわ、やべぇ、かっけーーー!」みたいな、子どもみたいに無邪気なリアクションを見せてくれたんですよ。何事もがむしゃらに楽しんでるイメージでしたね。みんな仲も良くて。

kazuki:僕もデビュー前ですね。「もう一度だけ」が一番最初に作った振付で、当時はまだ「To The Last Man」ってタイトルでした。常に出来上がった振りに対して、NOPPOが言ったように振付する側にとってめちゃくちゃ嬉しいリアクションを見せてくれるんですよ。なので当初からやりがいを感じていたし、「もっともっとみんながかっこよく見えるように、細かいとこまで教えてあげなきゃ」って思ったのを覚えてます。

ーーこれまでにたくさんのDa-iCE楽曲の振付をされてきていると思いますが、毎回の振りのオファーはどういう形で来るんでしょうか。たとえば曲のイメージを説明されて「これで振付してください」という感じですか?

shoji:そういうのが一般的なんですけど、Da-iCEは結構、僕らのことを信頼してくれているみたいで、基本的にほとんどおまかせだよね?

NOPPO・kazuki・Oguri:うん。

shoji:メンバーの中に「この人にお願いすれば、きっとこうなるだろう」というイメージがあるみたいなんですよ。なので、全員に頼む曲もあれば、この人に、この2人に、みたいな形でお願いしてくれているみたいです。お願いされたら「よっしゃ、やるよ!」みたいな(笑)。

NOPPO:僕は一時期、わりと激しめの振りの曲のオファーを続けていただいていて。それで「もうちょっとメロウな曲のもやりたいな」って自分からメンバーに言ったことがあります。

全員:(爆笑)

shoji:メンバーにそれが言えちゃうのもすごいよね。

ーーメンバーのみなさんとはそのくらいの信頼関係が成り立っているということですよね。曲調や振りのテイストですとか、どんな曲のオファーがご自分に来ているなと感じていらっしゃいますか?

kazuki:僕はもう完全に‟かっこいい系”ですね。

shoji:かっこよくて、かつセクシー系じゃない?

Da-iCE(ダイス) – 9th single「パラダイブ」Music Video【Full ver.】(From 3rd album「NEXT PHASE」

kazuki:激しい曲ももちろんあるし、「パラダイブ」とかは夏っぽさをフィーチャーしているのでテイスト的にはまた別なんですけど。他はだいたい、クールにびしっとキメる、みたいな曲が多いのかな。

shoji:僕は‟激しい系”が多いかな。ライブの『PHASE 0』から『PHASE3』までは演出とかステージングで関わらせてもらっていて、ツアーを一緒に回ったり、ずっと本人たちを見てきたというのもあったので、シングルのカップリングやアルバム曲もたくさん付けさせてもらっています。スタッフさんが「新曲の音が上がりました」とリハとかに持ってきてくれたときに、激しいのが上がってくると、メンバーがみんなこっちをチラチラ見てくるんですよ(笑)。「これはshojiさんだな?」みたいな。

Oguri:僕の場合はメロウな曲が多くて、あとストーリー性やコンセプトがあるもの、ですね。たとえば「DATE」「Every Season」とか。ただかっこよく踊るというよりも、何かプラスアルファの要素が欲しいな、という曲の時なんだと思います。

s**t kingzが解説する各メンバーの特徴

ーー長年の付き合いで感じている、各メンバーの印象についても聞かせてください。

kazuki:大輝は、やっぱりリーダーだなって感じがしますね。みんな若くて仲もいいし、リハでも私語が飛び交ったりわちゃわちゃしがちで、僕も一緒になって楽しんだりするんですけど、そういうときに空気読んで「そろそろやりましょ」と口火を切るのは彼だし。いざというときにリーダーとしての力を発揮してくれる、しっかりしたヤツだなって。で、休憩になると絶対何か話しかけてくる(笑)。

NOPPO:ホント、人懐っこい感じだよね。

kazuki:それもリーダーとして、ちょっと気を使ってくれているのかな? って思いますね。

shoji:音作りのクリエイターとしてもすごいんですよね。2013年にs**t kingzが初めて舞台をやったときに、昔の大輝の家に行って音を作ってもらったんですよ。マスタリングで音量調整してもらったり、効果音を足してもらったり、そういうことをいろいろ手伝ってもらいました。大輝の作業場でみんなでヘッドホンしながらチェックしたよね(笑)。

kazuki:ホント、音楽にも詳しいしいろいろできるんだよね。

Oguri:おしゃれで服のセンスもよくて。

shoji:アイドルとかアニメにも詳しい、スーパーマルチクリエイターですね。

ーーみんなが認めるマルチな才能を持っている、と。徹さんは?

Oguri:「できない」とかネガティブな言葉は絶対言わずに、いつも寡黙に練習してるイメージですね。年齢のわりにちょっと渋いイメージがある。

shoji:クールだよね。

NOPPO:これは僕が振付した曲限定なんですけど……振りの構成でメンバーをローテーションしていくと、必ずフォーメーションの逆サイドに短いカウント数で移動しなきゃいけない人が出てきて、僕が振り付けるとそれが必ず徹になっちゃうんですよ。

shoji:僕もそう! それで「大移動になっちゃうけど、ごめんね」っていうと「shojiさん、わかってますよ」って、優しく受け入れてくれます(笑)。あと振りが入らなくて苦労していたりするメンバーがいると、こまめにサポートしている印象があります。各自の振りとか移動も覚えていたりして、ちゃんと回りを見ながらダンス面でサポートしてますね。

NOPPO:リハの空気をやわらげてくれたり、精神的な柱になってくれたり。グループの中で潤滑油的な役割を果たしてる感じがしますね。

ーー同じパフォーマーでいうと、(和田)颯さんは最年少ですけどダンス面では他のメンバーからも一目置かれているイメージがあります。

Oguri:颯は昔っから上手かった。センスのよさを感じます。

shoji:ホントに。自分でも振付できちゃうしね。外部のダンサーの子たちと組んでみたりいろんなチャレンジもしていて、そういうところでもパフォーマーとして意識が高いんだなって思います。

Oguri:シンプルに、ダンス好きなんだなって感じが伝わるんですよね。

kazuki:リハとかでもさらっとできちゃうから「ここどうすればいいですか?」みたいなことが人より少なくて、教えたら教えたままできちゃうことが多いかもしれない。

NOPPO:踊れる分、みんなに気も使えるんですよね。たとえば振り入れしながら「ここ、こういう感じでしたっけ?」とか改めて質問して、みんなの動きがそろうようにチーム全体に再確認させてくれたりとか。

kazuki:デキる末っ子だよね。

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ーーボーカルの2人についても、ダンス経験のないところからの成長ぶりも見てきているのではないかと思いますが。

Oguri:2人とも超、成長したよね。

NOPPO:想太なんか、まんまとダンスにハマっちゃったもんね、個人でもレッスンに行ったりしてるし。

ーー想太さんはTwitterでもよくダンスレッスンの動画を上げていたりして。どんどん動きにキレが増していくのを感じます。

Shoji:あの追い上げ方はホントにすごいと思います。

NOPPO:若いダンサーで面白い踊り方をしてるなって人たちのレッスンを率先して受けに行ってるから、ダンスにもアンテナを張っているというか。

kazuki:最初のダンス始めたての頃の印象がもうなくなっちゃいましたもん。最近の踊れる印象が目に焼き付いているから「あれ、ダンスやってなかったんだっけ?」って思うくらい。

NOPPO:対比という意味で、一番最初に出会ったOguriはどうなの?

Oguri:僕の最初の頃の印象……2人とも、踊れるってイメージはなかったです。

ーー最初の頃ダンスが苦手だった雄大さんも、今やこの数々の難しい振りを踊りこなすようになり。

shoji:雄大はね、ステージ上でのパフォーマンス見せ方がとにかく上手なんですよ。

NOPPO:それそう、めっちゃ上手い。

Oguri:その分リハでもすごい頑張るし。ダンスが得意じゃなかったのにこれだけやらされてたらダンスが苦手になりそうなもんじゃないですか。でもいつもちゃんと向き合ってるし、諦めてるとこを見たことがないんですよ。

kazuki:本当に努力家だよね。

shoji:リハもいつも笑顔でやってるよね。「できねーっ!」って言いながら笑顔で練習してて、最終的にはできるようになるし。スーパーポジティブな人だと思う。

Oguri:振りを覚えるのもすごく早くなった。そこも成長でしょうね。あと、MCが面白い。

kazuki:褒めるとこ、そこ!?

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