wacci「別の人の彼女になったよ」、なぜロングヒット? リアルな歌詞が生まれた背景に迫る

ヒットの要因は歌詞×メロディ×キー

 ヒットの実感は未だにないという橋口だが、1つのきっかけとなったのは2019年1月20日にオンエアされた『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)。いしわたり淳治が「2018年のベストソング10」の1つとして紹介し、一気にこの曲が広まった。橋口はこのほかにも、カバー動画が次々とアップされたり、今年3月に公開されたMVに書き込まれたコメントがTwitterでも話題になるなど、様々な要因が重なったのでは、と予想した。

 「別の人の彼女になったよ」は、サビに向けだんだんと盛り上がっていく王道のJ-POPらしい構成。特にサビ直前〜サビは感情を込めて声を張り上げたくなる切ないメロディと歌詞になっている。〈だからもう会えないな ごめんね〉と歌い上げる箇所は聴いていても気持ちが良い。キーが高くないので男性にも歌いやすく、かつ女性目線の歌詞なので、もちろん女性が歌っても違和感がない。『関ジャム』で取り上げられたことが大きなきっかけであるのは間違いないが、先に述べたような歌詞への“共感”、そして切ないメロディや歌いやすい(=カバーしやすい)キーという楽曲そのものの魅力が支持され、広まっていったと言えるだろう。

 「別の人の彼女になったよ」を初めてスタッフに聴かせた時には賛否両論がはっきり分かれたそう。橋口はリリース後の様々な反響を受け、「押し切ってリリースして良かったなと思います。誰かに教えたくなる歌、また自分のエピソードを重ねたくなる歌ってことだと思うので、素直に嬉しいです」とコメントを寄せた。この曲を通じ、たくさんの出会いやきっかけがあったというwacci。これからもその歌声とメロディはより多くの人に届いていくはずだ。

(文=村上夏菜)

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