乃木坂46「Sing Out!」に隠されたメッセージとは? 横浜アリーナ公演での注目ポイントを解説
しかし、「Sing Out!」は多くの部分が未だベールに包まれた楽曲でもある。例えば、〈仲間の声が聴こえるか?〉という部分で齋藤飛鳥の振り付けが、かつて西野七瀬がセンターを務めた「帰り道は遠回りしたくなる」の振り付けとシンクロしていること、さらに〈ここにいない誰かのために 今 何ができるのだろう〉では大園桃子、久保史緒里、与田祐希という3期生メンバーにより、今作は活動休止をしている山下美月を思ったパートなのではないかと、ファンの間で様々な憶測が飛び交っている。どれも真意は不確かであるが、「Sing Out!」の大きなテーマである“仲間”がメッセージに込められていることは間違いない。
また、ベールに包まれていることはほかにもあり、YouTube公式チャンネルに公開された「乃木坂ちゃんと見てみよう」の中で、振り付けの話題になり「まだここでは言ってはいけないこと」として齋藤、秋元、堀の会話が遮られる部分がある。さらに、『B.L.T. 2019年7月号』での齋藤のインタビューでは、「Sing Out!」のセンターに「自分が選ばれた意図」というポイントで齋藤がそれを知りながらも会話を濁らしている。
振り返れば、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)での23rdシングル選抜発表で、「この選抜で頑張りたいこと」を聞かれた齋藤が、「ちゃんと自分の中で『これからこうしよう』って決めたことが1個あって、それをなな(西野七瀬)の卒コンから始めたんですよ。まだ言わないですけど……。『飛鳥はこういうことやってたんだろうな』っていうのが、伝わる期間になればいいなと思ってます」と答えていた。それらの一つひとつは、これから紐解かれていくことだろうが、まずは本日の横浜アリーナ公演が大きな手がかりとなるはずだ。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter