『茅ヶ崎アロハマーケット presents ホノルル市姉妹都市締結5周年記念行事 HIRAIDAI THE BEACH TRIP 2019』レポート
平井 大、夏を呼び込んだ自由な音楽 ストレスフリーな歌声に浸ったサザンビーチ公演
「ここからは海がよく見えるね」など、リラックスした雰囲気のMCも平井の魅力。「Thinking of You」を歌う前には、「世間では5月病が騒がれていて、僕は年中通して5月病みたいなものだけど(笑)。普段から素直に生きよう、気楽に生きようと決めている。そんな僕を救ってくれているのが海。その海を眺めながらライブができるなんて最高ですね。疲れた人がいたら、海を見てほしい。そんなあなたの心の疲れを癒やす1曲をお届けします」と話した。
ハンドマイクを持ってステージを動きながら歌った、その「Thinking of You」。〈ココロのままに泣き笑えばいい〉〈後悔したってそれもit’s alright〉という歌詞を、ひとりひとりに聴かせるように歌った平井。曲の途中でアドリブっぽくフェイクを聴かせたほか、ギターソロでは目を閉じて首を振りながら、まるで心で泣いているようなフレーズを聴かせた。平井の包み込むような歌声と温かみのあるサウンドが、波のように心の重荷をさらってくれた。
ステージの奥にオレンジ色の太陽が沈みかけた頃、アンコールでは「THE GIFT」を歌った。音源よりもより強さやグルーヴが感じられるサウンドと歌声を受け、会場には手拍子をしたり挙げた両腕を左右にゆっくり揺らすなど様々に楽しむ観客の姿があり、中には手を繋いでいるカップルや親子も見られた。平井のライブは、ストレスフリー。決まりごとは何もなく、ただ自由に感じたまま音楽を楽しむだけだ。
この日、7月31日にアルバム『THE GIFT』をリリースし、それに伴うツアーを行うことを発表。夏本番の季節になった頃に、またビーチで平井の歌を聴けたらいいなと思った。
■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。