森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.144
Mrs. GREEN APPLE、Czecho No Republic、集団行動……バンド発のポップミュージック
ロック、ネオソウル、ファンク、R&Bなどをベースにした極上のバンドグルーヴ、そして、エッジとポップを同時に感じさせるボーカルによって確実に評価を高めつつあるRAMMELLS。ニューアルバム『Mirrors』は、“もっと大衆に向ける”という共通認識のもと、70年代以降のダンスミュージックと現代的なポップネスを結びつけた意欲作となった。そのスタンスを端的に示しているのが、“いまの日本の音楽シーンのなかで、幅広いリスナーが踊れる曲とは、どういうものか?”というテーマで制作されたという「Gone with the wind」。軽快な4つ打ちビートとしなやかなファンクネスを両立させたアレンジ、思わず口ずさみたくなるメロディがひとつになった同曲は、このバンドの現在のポップス観と直結している。
RAMMELLS「真っ赤な太陽」MUSIC VIDEO
フォーク、歌謡、ロック、パンクを生々しく吸収した“合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”を掲げる京都在住の7人組・バレーボウイズの3rdミニアルバム『青い』は、タイトルが示す通り、青くささが詰まった歌がたっぷり。〈輝いてやまない あなたの言葉は/一言一言を 宝箱に入れましょう〉と純な恋心を歌った「渚をドライブ」、濃密なノスタルジックを含んだ旋律、青春の苦しさ、愛おしさを感じさせる歌詞が胸に沁みる「若者たち」、刹那的な感情がほとばしるロックンロール「人間大好き」。切なさ、恥ずかしさ、瑞々しさを同時に感じさせるバレーボウイズの楽曲を聴いていると、ポップスとは歌であると改めて実感させられる。さあ、みんなで肩を組んで歌おう!
バレーボウイズ 3rd album「青い」トレイラー
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。