スピッツ、連続テレビ小説『なつぞら』温かく包み込む主題歌 全編アニメーションOPとの相性を読む

スピッツ、『なつぞら』を温かく包む主題歌

 また、今回のオープニングで注目、かつ楽曲の魅力を高めているのは、連続テレビ小説初の全編アニメーションという点である。スタジオジブリや『アルプスの少女ハイジ』を彷彿とさせる映像だ。それもそのはず、アニメーション監修を担当する舘野仁美氏は、1987年よりスタジオジブリに在籍し、『となりのトトロ』以降のジブリ作品の動画チェックを手がけた人物なのだ。さらに、アニメーション時代考証を担当する小田部羊一氏は、『パンダコパンダ』『アルプスの少女ハイジ』などでキャラクターデザイン・作画監督を務めた経歴を持つ。そして、このオープニングの監督・原画・キャラクターデザインは、アニメーターの刈谷仁美が手掛けている。彼女はなんと1996年生まれで、2017年度第6回新人アニメーター大賞受賞した、期待の新人である。

 スタジオジブリ作品や『ハイジ』といえば、芯の強い女の子が、自然の中でたくましく成長していくイメージだ。『なつぞら』の主人公・なつも、悲しみから希望を見つけ、大自然の中でたくましく育っていくというキャラクターで、共通するものがある。

 十勝の大自然×アニメーション×スピッツという組み合わせは、生まれるべくして生まれた、必然かつ最強の組み合わせと言えるかもしれない。

 戦争で両親を亡くすという悲しい状況を乗り越え、上京し、やがて夢を叶えていくなつの姿。そして、それを温かく包み込むスピッツの楽曲。毎朝私たちの心の中に、希望の風が吹きこんできそうだ。

■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
公式サイト

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