『乃木坂46 衛藤美彩 卒業ソロコンサート』レポート
乃木坂46 衛藤美彩、卒業ソロコンで刻んだ大きな足跡 アンダーと選抜を経て飾った有終の美
3月19日に東京・両国国技館で『乃木坂46 衛藤美彩 卒業ソロコンサート』が開催された。ソロという異例のスタイルで卒業を飾るこのコンサートは、乃木坂46の中でも稀有の来歴を歩み、無二の立ち位置を築いてきた衛藤の存在を刻みつけるものだった。
コンサートは衛藤自身が歌唱メンバーだった乃木坂46のアンダー楽曲「狼に口笛を」で始まり、その「狼に口笛を」が収録されたシングルの表題曲「おいでシャンプー」へと続く流れで開演する。グループ初期の彼女の立ち位置を振り返らせる選曲でもあるが、バックバンドのアレンジと彼女の歌唱の力で見せるパフォーマンスは回顧である以上に、衛藤美彩個人の実力を示し、これから先のキャリアを照らす力強さに満ちている。彼女単独でコンサートを担うことに一切の不安を感じさせない、格好のスタートを切った。
その確かな実力があればこそ、グループへの思い入れを強く感じさせる選曲にも奥行きが生まれる。衛藤自身が選抜メンバーに定着して以降のアンダー楽曲である「自惚れビーチ」「シークレットグラフィティー」や3期生楽曲「思い出ファースト」は、後継メンバーへのメッセージを感じさせるセレクトである。ただし同時に、それらの楽曲もあくまで衛藤美彩としてのカラーが振る舞いや歌唱に色濃く打ち出され、彼女が乃木坂46のキャリアを通じて育んできたパフォーマンスの豊かさがうかがえる。