石井恵梨子のチャート一刀両断!
Sexy Zone、あいみょん、sumikaがランクイン 次世代牽引するアーティスト並ぶチャートを分析
参考:2019年03月25日付週間アルバムランキング(2019年03月11日~2019年03月17日・ORICON NEWS)
今週1位はSexy Zone『PAGES』。2012年にオリコン週間アルバムランキングに登場した1stアルバムから7枚目の作品で、7作連続の初登場1位となります。メンバーの松島聡が昨年秋から一時活動休止し、今作は4人体制となったものの、初週で12.1万枚とグループの人気が揺らぐことはありません。
“人生の1ページ”をコンセプトとしたこのアルバムに触れると、月並みながらも感じます。彼らも大人になっているなぁと。キラッキラの少年だった10代の面影はすでになく、アルバムのリード曲「La Sexy Woman」は紳士服AOKIのCMソングとしてテレビを席巻中。“ファーストスーツは、AOKIでしょ”のコピーとともに颯爽とスーツを着こなしているメンバーには、なるほど大人の色気が漂い始めています。
嵐の活動休止が発表され、最若手グループのKing & Princeが10代女子を熱狂させている昨今、いつまでもSexy Zoneを“ジャニーズ若手枠”に押し込めていてはいけませんね。ごく自然な世代交代をリアルに感じる今週のチャートです。
世代の話になると、これまで必ず挙がっていたのが「若者はフィジカルを必要としない」という論調でした。たしかに米津玄師やDAOKOなどはCD売り上げ以上にダウンロード(DL)ランキングが強いアーティスト。ただ、それでも、全員がデジタル/ストリーミングで事足りているわけではないようで。その好例が今週10位のあいみょんです。
話題作『瞬間的シックスセンス』は、2月中旬に約6万枚でチャート2位に初登場。その後は3位→10位→12位→10位と静かなロングヒットを記録しています。もちろんDLランキングを見れば首位近辺を華々しく走っていたので、聴かれ方としてはDL優勢。ですが、その中には「やっぱりCDを入手したい」と思うリスナーが一定数いるのです。歌詞カードを読みたい。ブックレットも味わいたい。何よりモノとしての実感がある……。これらは結局CD世代のノスタルジーかと思っていましたが、実際はそうでもない。初めからサブスクありきの若者たちにとって、CDとはどんなメディアなのか。購入することにどんな意味があるのか。非常に興味深いところです。