稲垣吾郎、“主演小説”『ロストマン ロンリーハート』連載開始 通常の逆をいく新たな読書体験に

 稲垣吾郎・主演の小説『ロストマン ロンリーハート』が、雑誌『週刊女性』にて連載を開始した。小説なのに“主演”とは? そんな少しの違和感と期待を胸にページをめくると、目に飛び込んできたのは、小説から抜き出てきたようなバスローブ姿の稲垣が。さらに「僕のすべてを見透かされているような気がして、ちょっと怖かったんです。それぐらい僕と主人公の“新開タカオ”との共通点がいっぱいありました」との感想コメントも。

稲垣吾郎「SUZUNARI」

 この小説の著者は、映画『らせん』や、ドラマ『沙粧妙子-最後の事件-』『ギフト』など数々のヒット作品を手がけてきた、映画監督・小説家の飯田譲治。本作は、稲垣吾郎をモデルに主人公をあて書きする、という新たな試みだ。飯田はTwitterで「必ず映像化します。そのために書いている小説。主演、稲垣吾郎」と断言し、「普通は? なんにも決まってないとかいって、実はどこかで制作して誰をキャスティングするかしっかり決まってたりするんですが、これはほんとになんにも決まってないんです。そういう意味で、まったく新しい挑戦。笑える」とも。

 私たちが知っているのは、小説→映像化決定→主演の発表の流れ。だが、この小説は、まず主演の発表→映像化宣言→小説の連載スタート……と、見事に逆をいく。既成概念にとらわれず、これまでになかった何かが創られていく。常に時代の開拓者であった稲垣が、また新しい“小説の楽しみ方”を見せてくれるようだ。

 早速、読み進めてみると、この読書体験はちょっと癖になりそうだ。予め「モデルは稲垣だ」と言われているからこそ、主人公・新開タカオの言葉が、自然とそして鮮明に稲垣の声で脳内再生される。新開タカオが車を運転すれば、稲垣が注意深く安全を確認して、ハンドルを回す仕草が想像できる。女性とキスを交わそうとすれば、顔を近づけるときの伏し目がちな表情、影を落とすまつ毛、色気を帯びた唇……いわば読者1人ひとりが演出家と言わんばかりに、稲垣が頭の中で動き出す。そして、いつか映像化された暁には、飯田ver.の想像を目の当たりにして「そう来たか!」と、盛り上がる違いない。

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