ORANGE RANGEの音楽を追求する姿勢とファンとの信頼 『ELEVEN PIECE』NHKホール公演

ORANGE RANGE『ELEVEN PIECE』レポ

 ORANGE RANGEが、11thアルバム『ELEVEN PIECE』を携え、昨年秋からスタートし台湾公演を含め全30公演にわたった全国ホールツアー『ORANGE RANGE LIVE TOUR 018-109〜ELEVEN PIECE〜』が、2月8日東京・NHKホールで国内ファイナルを迎えた。その1曲目となったのは、「Ryukyu Wind」。JリーグクラブFC琉球公式応援ソングとしてリリースされてから約1年、今やすっかりライブのテッパン曲だ。のっけから盛大なシンガロングを巻き起こし、会場を一体化。その勢いで「そのテンションを、もう一段階上げていこうぜ」(RYO/Vox)とダンサブルなロックチューン「お願い!セニョリータ」で観客を踊らせる。ホールという椅子付きの会場でも関係なしに、大きく体を揺さぶり、腕を振り上げ、声を上げる観客に、「まだ2曲しかやってないけど、みんなテンション高くない? どうしたの!?」とHIROKI(Vox)。アルバムのリリース、そして全国ツアーのスタートから数カ月を経てようやくの東京公演ということで、この日を待ち望んだファンも多かったのだろう。全曲を一緒に歌い上げるくらいの前のめりのパワーを感じる。また、ORANGE RANGEとしてもこのツアーで『ELEVEN PIECE』というアルバムを確実に自分たちの血肉にして、よりフィジカルに自由に表現している。序盤からステージとフロアとで、高いエネルギーのぶつけ合いがあるライブだ。

 アルバム『ELEVEN PIECE』の曲を軸に据えつつ、前半にロングツアーでは恒例となっている、地元の学生とのコラボレーションも行われた。今回「ビバ★ロック」では都立駒場高等学校・駒場フィルハーモニーオーケストラ部からホーン隊の生徒たちと、そして「Hopping」では東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校から女性ダンサー4人がバンドと共演。ステージ上の全員でジャンプをして曲を締めくくったりと、和気藹々としたコラボレーションで会場を明るくした後は、一転して、これぞORANGE RANGEという中毒的なポップ&ドープなゾーンへと突入する。浮遊感たっぷりの「楽園Paradise」〜「SUSHI食べたい feat.ソイソース」、そしてニュースクールヒップホップ的な「Theme of KOZA」から、RYOがピアニカをHIROKIがギターを奏で、 YAMATO(Vox)のハイトーンがファンシーな雰囲気を生む「KONNICHIWA東京」と連投。RYOは「ピアニカだけでなくORANGE RANGEはいろんな楽器に挑戦することで広がっていくバンド」だと語り、今回ピアニカを演奏するきっかけを作ってくれたのはNAOTO(Gt)だと紹介するも、NAOTOは照明の当たりにくい場所へ……。NAOTOは、リーダーであり自由な発想で数々のキラーチューンや、ノンジャンルでトンがった曲を生み出すソングライターだが、ライブでは(取材でも)控えめでプレイヤー然としてそこにいる感じなのは、このツアーでも変わらずのようである。そのNAOTOに代わるように、YOH(Ba)が「今日は、全国のみんながつないでくれたツアーの集大成。東京は東京の楽しみ方で、エンジョイしてください」と、続く曲「Happy Life」へと穏やかにつないでいく。メロウな「Happy Life」から、HIROKI、YAMATO、RYOの3声のアカペラでスタートする「花」と歌ものが続き、そしてエレクトロチューン「the map」「Destroy Rock and Roll」、「アオイトリ」で会場内の空気を引き締める。

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