シングル『乗ってけ!ジャパリビート』インタビュー
どうぶつビスケッツ×PPPが語る、ヒットの経験で得た自信 「お互いを高め合うこともできた」
当事者は語る「有名になると親戚と友だちが増える」
ーー実際『けものフレンズ』という作品は関係者やアニメファンはおろか、世間までその世界に巻き込んだ。逆にみなさんがその熱狂みたいなものに巻き込まれたことは?
尾崎:ありました。全員キャラクターのコスプレというか、ネコ耳を付けたり、ペンギンのかっこうをしたりしてテレビに出ていたので、アニメをあまり観ない方に「尾崎さん、ネコ好きなの?」って聞かれまくったりとか(笑)。
ーー実際お好きなんですか?
尾崎:好きなのでネコ友だちが増えました(笑)。あとはいろんな方に「アニメ観たよ」「曲聴いたよ」って言っていただけるようになったり、親戚が増えたりみたいな反響もありましたね。
ーーあっ、有名になると親戚が増えるのって都市伝説じゃないんだ(笑)。
尾崎:増えましたねえ(笑)。でもうれしいです! まさか自分が「有名になると親戚が増えるらしいよ」なんて言われたり、実際にそうなったりすることになるとは思ってなかったですから。そういう特別な体験は面白いし、うれしいし、「もっとがんばらなきゃ」っていう力にもなっています。
ーー小野さんは親戚増えました?
小野:私は増えてないんですけど(笑)、父が私の仕事にすごい興味を持つようになりまして。仕事のことをすごく聞いてくるんですよ。外出しようとすると「今日はなんの仕事?」とか。で、私は(大声で)「収録っ!」って返したり……。
佐々木:なんでそこでキレてるの?(笑)。
小野:だって毎日聞いてくるから……。
佐々木:お父さんは娘の活躍がうれしいんだよ。
根本:今までは聞かれてなかったの?
小野:放任というか、「自分で自分が食べていくぶんだけ稼げているなら、それでいい」って感じだったのに、今は私に興味があってしょうがないみたいで。……まあ親孝行にはなったかな、とは思っています。
ーー「お父さん、毎日うるさいなあ」とも……。
小野:少し思いつつ(笑)。
ーー根本さん、ご親戚は……。
根本:増えてないんですけど、友だちは増えました。
ーーいろんな現場でいろんな人に会う機会が増えたから?
根本:というよりも「しゃべったことあったかなあ……」っていう中学の同級生から連絡が来るようになったりとか……。
ーーあはははは(笑)。親戚が増えるのと同じパターンだ。
根本:でも、私、そんなに友だちが多くないタイプだから、そういう子たちが「あのとき、こんなことしたよね」って覚えていて、その思い出話をLINEしてくれるのがすごくうれしいんですよ。それをきっかけに久しぶりに会うようになった子もいるから「あっ、『けものフレンズ』でホントにフレンズができた」って(笑)。あと、今年小学1年生になる弟と、幼稚園の年長さんになる妹がいるんですけど、『おはスタ』の枠で『けものフレンズ』が再放送されたとき(2017年8月)、弟や妹が通ってた幼稚園で流行ったみたいで。「今日もみんなで『ジャパリパーク』を歌ったよ」って話を聞くと……。
尾崎:かわいい(笑)。
根本:うん。それにすごい感動して。深夜アニメとして始まったのに小さい子にも喜んでもらえる作品ってけっこう珍しいからこそ、今後もいろんな世代の方にアニメを観てほしいし、曲も聴いてもらいたいなって思いました。
ーー一方、佐々木さんは、先ほど小野さんが「みころんが引っ張っていた」と言っていたとおり、2年前の時点で声優としてしっかりとしたキャリアがあったわけですよね。
佐々木:そうですね。
ーーそういう方から見て、どうぶつビスケッツ×PPPの面々ってこの2年で変わりました?
佐々木:変わりました! 『けものフレンズ』がホントのデビュー作、アフレコもレコーディングもすべてが初めてっていう子たちばっかりの現場だったけど、そこから2年間、いろんな経験をさせていただいたから、なんかもうみんな怖いものなしになったというか(笑)。
根本:確かに(笑)。
佐々木:今はなにが起こっても乗り越えられる、ひとりで生きていける感じがするんですよ(笑)。私自身、声優としてのキャリアはあったかもしれないけど、地上波のゴールデンタイムのテレビ番組に出るのは『ミュージックステーション』が初めてのことでしたし、それ以外にもいろんなドキドキの初体験をさせてもらって、そのおかげで成長できたし、強くなったっていう実感はありますね。
尾崎:この2年間、いろんなことがありすぎたので(笑)。その経験があるから、「なにがあってもみんながいてくれれば大丈夫だな」って気がしています。
ーーだからこそ「乗ってけ!ジャパリビート」みたいな曲が届いてもビビらない、と。
小野:この曲でデビューだったら「ムリでしょ!」ってなってましたね(笑)。でも最初にお話したとおり、今はこの曲に対しても、『けものフレンズ』という作品の注目度の高さに対してもそこまでプレッシャーは感じていないというか。
佐々木:「みなさん期待してくださるだろうな」っていう意識はありますけど、それに押しつぶされそうにはなってないですね。
尾崎:それに歌ったり、演じたりしている私たちが堂々としていないと聴いている方や観ている方も不安になるとも思うので。スタッフさんと一緒にいいものを作っている自信があるからこそ、ちゃんと前を向いておきたいですね。
小野:誰かが楽しそうにしていると、その楽しさってほかの誰かにも連鎖するじゃないですか。実際どうぶつビスケッツ×PPPとして歌ったり、演じたりすることは楽しいから、私たちがちゃんと楽しそうにしていれば、きっとみなさんも楽しんでくださると信じています。