NEWS、アルバム『WORLDISTA』は“楽しい”が伝播する CDだからこそできる数々の仕掛け
NEWSの最新アルバム『WORLDISTA』が、とにかく楽しい。いいクリエイティブとは、きっと作り手の“楽しい”が伝播するものなのだろう。NEWSのメンバーはもちろん、作詞、作曲、編曲、撮影、デザイン……と、関わったすべての人たちが、このアルバムを愛していることが、ひしひしと伝わってくる。そして、その愛情は手にした人をワクワクさせる。
2017年に『NEVERLAND』、2018年に『EPCOTIA』、そして2019年『WORLDISTA』と、NEWSの頭文字にちなんだキーワードをもとに、コンセプチュアルなアルバムをリリースしてきた彼ら。こだわり抜いた設定、そしてライブ演出に至るまでの作り込み……「N・E・W・S……起・承・転・結でいえば、“転”ですから」と初回盤の特典映像内で増田貴久が話しているように、3作目となる本作はこれまで以上に、いい意味でクセが強い。それは、受け止めてくれる人たちへの信頼があればこその尖りだ。
『WORLDISTA』のテーマは、バーチャル体験。最新テクノロジーを駆使して開発したアイギアをセットすれば、目の前に仮想空間が広がり、好きな人と、好きな時間を、好きなだけ過ごすことができる。だが、アルバムにアイギアが入っている気配はない。手元にあるのは、赤と青のフィルムで作られた3Dメガネ。むしろ懐かしいとすら感じる超アナログな“アイギア“を通して、歌詞が書かれたブックレットをのぞくと、ある文字が浮き出てくる……。
#想像することがみちしるべ
これはデータ配信ではできない、CDだからこそできる仕掛け。最新デジタルをテーマに掲げながら、思いきりアナログで楽しむという遊び心。世の中は、デジタル化によってどんどん便利になった。だが、その一方でアナログの不便さを楽しむ人たちも生まれる。便利もほしいけど、そこに自分が介在する手応えを求めてしまう。“めんどくさい、だからこそ愛しい”それは、人間味あふれるNEWSを愛する感覚に近い。
『WORLDISTA』はディスクをプレーヤーにセットし、再生ボタンを押してもすぐには歌は流れない。メンバーでもない人の声で、「ログインシークエンス-INTER-」がアナウンスされる。おもむろに読み上げられるアクセスコードは「KKMT0915」。
きっと、これまでのNEWSチームの作り込みを知っているファンなら、このコードにも意味が込められているのだろうと反応したはずだ。「もちろん、K(小山慶一郎)、K(加藤シゲアキ)、M(増田貴久)、T(手越祐也)、0915(デビュー記念日)でしょう!」と、口元が緩んだに違いない。だが、しかしこれは序の口。クイズでいえば誰もが正解する【問1】みたいなものだ。こんなファンが答え合わせをしたくなる“仕掛け”が、この先わんさかと出てくるのだ。