Anlyが見せた、シンガーソングライターとしての多彩な表現 祝祭ムードで溢れたバースデー公演レポ

Anly、祝祭感溢れるバースデー公演レポ

 Anlyが1月20日にshibuya eggmanにて、バースデーライブ『Anly 22nd Birthday Live~んふふ!』を開催した。

Anly

 この日はAnlyの22回目の誕生日。ライブハウスの入り口には色とりどりの花が並び、ライブ終盤にはファンからのサプライズでケーキがプレゼントされるなど、始終お祝いムードが漂っていた。

 沖縄・伊江島出身のシンガーソングライターとして2015年にデビューを果たしたAnly。幼い頃から聴いていたブルースやロックの影響が反映されたストレートな楽曲と群を抜いた歌唱力で、デビュー当初から注目を集めてきた。しかし彼女の魅力はそれに留まらないということを証明したのが、昨年夏にリリースされた2ndアルバム『LOOP』だ。等身大の歌詞を詰め込んだラップ調の楽曲や大人っぽいメロウチューンが増え、海外のプロデューサーやトラックメイカーとのコラボでサウンドのグローバル色がより濃くなっている。これらの進化はシンガーソングライターとしてのAnlyの独自性を高めたが、きっと彼女の音楽にはまだまだ見つかっていない引き出しが沢山あり、奥深い可能性を秘めている。

 そんな進化の真っ只中にいるAnlyは、今年もすでに多くのライブが決定している。3月には両国国技館での『東京ギタージャンボリー』、名古屋ブルーノートでのワンマンライブを控え、先日には47都道府県5大陸を目指す『Anly “Loop Around the World” ~Track 2~』第2弾の開催もアナウンスされた。今回のツアーは前回の『~Track 1~』よりさらにスケールアップして台湾等の初の海外ワンマン公演も含む。今後さらに新しいステージへと突き進んでいくAnlyの22歳の幕開けとなった、記念すべきバースデーライブの模様をレポートしたい。

 開演時間が過ぎると、待望と祝福の気持ちが込められた拍手に迎えられ、黒いTシャツにジーンズというラフな姿のAnlyが登場。早速ルーパー(エフェクター)を使って軽やかなアコギの音色、風のように伸びやかな声を重ねていき、1曲目「Free Bird」でライブがスタートした。柔らかい笑みを浮かべながらも真っすぐに前を見据えて歌う姿にフロアの熱は早くも上昇し始め、観客は心地よさそうに身体を揺らし出す。続けて披露された新曲は、目の前に広がる真っ青な海を彷彿させるサマーチューン。力強いギターリフに呼応するように、フロアからは手拍子が沸き起こった。

 「SOLD OUTありがとうございます!」「沢山歌って良い夜にしたいと思います。よろしくお願いします!」元気いっぱいにそう宣言した後は、ブルーのライトに照らされながら「Moonlight」、「DREAM ON」といったラップ交じりのメロウなナンバーを畳みかける。時には感情に動かされるまま手振りを付けて歌ったり、ささやくような歌声で大人びた表情を見せたり。Anlyの動作1つ1つから次々と魅力が放たれていくせいで、ステージから目が離せない。曲中だけではなく、ルーパーを使って音を重ねている時の真剣な眼差しやピックを口にくわえている姿さえも、思わず見入ってしまうほどカッコイイ。

 その後のMCで「初めて私のライブに来た人いますか?」とフロアに呼びかけると、いくつか手が挙がったものの、どうやら初めてではなさそうなファンの姿もちらほら。それを見つけたAnlyが指を差しながら「あ、嘘ついてるのわかりますよ!」と指摘すると、会場は温かい笑いに包まれた。その後はギターを持ち換え、清冽なアルペジオの音色に乗せて優しい歌声で「レモンティー」を披露した。

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