超特急が振り返る『Sweetest Battlefield』の裏側 「ステージに胸を張って臨めるようになった」

超特急、アリーナツアーの裏側

 最新アルバム『GOLDEN EPOCH』を引っさげた昨年末の同名アリーナツアーで、自身最大キャパの会場であるさいたまスーパーアリーナ公演を含め、のべ5万人を動員した超特急。1月期のドラマ『フルーツ宅配便』(テレビ東京系列)で新曲「ソレイユ」がオンエアされており、4月からは自身最大規模の33公演10万人動員のホールツアーもスタートと、2019年も加速度をつけて駆け抜ける中、昨年5~6月に開催されたアリーナツアーのBlu-ray『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018 Sweetest Battlefield at Musashino Forest Sport Plaza Main Arena』をリリースする。初の360度センターステージでMCをほとんど挟まず全30曲を披露するという怒涛のパフォーマンスを展開。その裏側も含めて振り返りつつ、このツアーでの経験がのちのステージにどう活きているかについても語ってもらった。(古知屋ジュン)

より腹をくくらなきゃいけないライブだった(タクヤ) 

ーーリアルサウンドでは、昨年のシングル『Jesus』のインタビューでも『Sweetest Battlefield』について振り返ってもらっているんですが。改めて、あのツアーではどんなステージを8号車(超特急ファンの愛称)に見せたいと思っていたのか、聞かせてもらえますか。

リョウガ:あの時は応援してくださっている8号車の方々にこのステージで僕らの決意を見せたいというのが、みんなの中にもテーマとしてあったんじゃないかなと思います。

ーーカイさんは以前のインタビューで、リハーサル期間の密度がすごく濃かったと振り返ってましたね。

カイ:内容自体のリハーサルは、いつものツアーとそこまで変わらなかったんですよ。ただ、リハと並行して振付やフォーメーションを、全曲変えたんですよね。2月のイベント『PERFECT VALENTINE』の後あたりから約3カ月近く、1日3曲とかを日々みんなで合わせてきたので、それを含めるとしたら、リハ期間がとにかく長かったですね。

ーータクヤさんは360度ステージについて“逃げ場がない”と発言されていたりもしましたが、それは“客席の8号車とバトる”という意味合いで……?

タクヤ:いやいや(笑)。ステージの作りによって気が抜ける、抜けないという話ではないですけど、普段はメインステージがあって、180度の視界にお客さんがいるのが基本なので、より腹をくくらなきゃいけないライブだったということです。本番ではさすがにみんななかったと思いますけど、リハで踊ってる最中に前がわからなくなっちゃったり、円形なのでフォーメーションがさらに複雑になっていて、混乱しやすい部分もありましたし。「今どっちが前で、自分がどっち向いてて、あれ???」みたいな。

ーーなるほど。ユーキさんは、ツアー前のファンクラブイベントで「僕らの言いたいことが一番伝えられるのはパフォーマンス」というような発言をされていましたよね。このツアーでは、その考えのもとに、8号車へのメッセージをパフォーマンスで伝えようというコンセプトがあったんでしょうか?

ユーキ:そうですね。言葉で伝えると、人によって受け取られ方がいろいろ違ってくると思いますし、ファンクラブイベントでも結構メッセージを伝えたつもりでいて。ライブは楽しむものだと思うし、せっかくいろんなところから超特急のライブを楽しみに来てくれているのであれば、みんなを笑顔で帰したいという思いが強かったので。「口を動かすより手を動かせ」って、よくいうじゃないですか? そんな感じで行動で示すというか、僕らの思いすべてを、体を使ったパフォーマンスで見ている人に伝えたいなっていう気持ちがありました。実際、終わった後全員倒れそうになるくらい、自分たちで自分たちを追い込んだライブになりましたし。

ーー客席で観ていて、そのメッセージはちゃんと伝わっていると感じました。ユースケさんは8号車のことをいつも気にかけているイメージが強いんですが、あの日の客席の反応をどう見てました?

ユースケ:今回のBlu-rayでも見られると思うんですけど、360度ステージだと、たとえばセンターステージで踊ってるときにちょっと後ろを向く振りとか、あるじゃないですか? 背中側の8号車さんにも表情をしっかり見られていると思うから、かっこいい曲でもちょっとニヤニヤしてみたりとか(笑)。ユーキも言ってましたけど、ステージングやセットリストを考えると、体力的には結構大変なんですよ。でも表情では多少の余裕も見せておかないと、8号車さんに心配されちゃうんじゃないかと思って。

 MCのときだったり新しいコールを叫んでくれているみなさんの声を聞いているうちに、自分も「もっとこのライブを楽しもう!」っていう気持ちにだんだんなれたかなって思います。会場の空気も予想してたより温かくて、包まれるような感じがあって……すごく嬉しかったです。体力的にはきつかったけど、いい経験になったなって。ここからまた一歩踏み出せそうな感覚がありました、8号車さんとともに。

ーータカシさんはチャレンジすることが多かったと思うんですが。終わったタイミングで“やりきった感”と反省する部分と、どちらのほうが強かったですか?

タカシ:どちらも同じくらいありました。でもしいていえば、反省する部分の方が大きかったかな。ただこの『Sweetest Battlefield』を通して、「これが今の僕たちなんですよ」と、きちんと提示できたんじゃないかなという風には思いました。あのツアーでは1人でも多くの8号車に“超特急の歌をみんなの耳に届ける”という意味では本当に、自分自身で今出せるものすべてを出し切ったツアーだったんです。

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