imdkmのチャート一刀両断!
DA PUMP、『紅白』勢並ぶチャートにランクイン ベスト盤で再確認するグループのポテンシャル
また、「U.S.A.」のヒットというトリガーがあったことはもちろん見落とすべきではないとはいえ、2018年にいたるまでの2010年代後半の音楽事情を考えると、彼らの再ブレイクをかたちづくる素地はある程度できていたことは指摘しておきたい。たとえば2016年のブルーノ・マーズ『24K Magic』を転機とするニュージャックスウィングのリバイバルは、打ち込みによるややアップテンポでダンサブルなグルーヴとポップなメロディ、そして巧みなボーカルパフォーマンスをグローバルなポップミュージックの表舞台に再び引き上げた。
また、K-POPのとりわけボーイバンド勢の活躍は、しばらくのあいだやや見過ごされてきた“歌って踊れる男性アイドル”という分野をブルーオーシャンとしてよみがえらせている。
“ダサかっこいい”バイラルヒットという着火材に助けられたと同時に、ポップミュージックが育んだこうした時代の雰囲気もまた、DA PUMPの復活劇の重要な条件だったのではないか。
「U.S.A.」をきっかけに彼らを知った人も、再び彼らが気になり始めたかつてのリスナーも、今回のベストでぜひ彼らのポテンシャルを再確認してほしい。そのあとであらためて同時代の音楽を眺めてみれば、いかに世の中が“DA PUMP的”かが見えてくるはず。
■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」