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L’Arc~en~Cielはバンドとしての“夢”を魅せてくれる 『LIVE 2018 L’ArChristmas』レポート

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 “良い曲を書いてもライブが良くないバンドはダメだと思うので”

 印象的だったこの言葉は、2017年4月8日、9日に東京ドームで開催されたバンド結成25周年を記念した『25th L’Anniversary LIVE』を特集したニュース番組で、リーダーであるtetsuyaが口にしていた言葉だ。

 この言葉を聞いた時、L’Arc〜en〜Cielというバンドが、ライブという空間を何よりも大切なものとして考えていることを改めて知った気がした。

 2018年12月19日、20日。2日間で11万人を動員した、バンドにとって約1年8カ月ぶりとなった今回の公演では、約3時間で22曲が演奏されたのだが、そこに並べられた名曲たちは、hyde、ken、tetsuya、yukihiroの放つ音と歌によって、より立体的にその場に浮かびあがったのだ。

 コンスタントにライブをしているバンドではないだけに、オーディエンスにとっては、“L’Arc〜en〜Cielのライブが観れる”ということだけで幸せだと思うのだが、さらにこの2日間で届けられた曲達の並びは、もはやその並びだけで幸せに導かれたと言っても過言ではないほどに、最高なセットリストであったようだ。

 “その日、そこで聴ける曲”こそが、そのライブの想い出へと変わっていく。それこそが最高の演出であると言っても過言ではない。そんな曲選びの段階から、きっと彼ら4人の“ライブ”は始まっているのだろう。

 「Dearest Love」や「静かの海で」など、ライブで演奏されるのは相当珍しい曲達の選曲も、オーディエンスにとっては、“この日のライブを忘れることのできない瞬間”にしたに違いない。

 そんな平成最後のL’Arc〜en〜Cielのライブは、『LIVE 2018 L’ArChristmas』と題されたクリスマスムードに包まれたコンセプチュアルなライブだった。クリスマスソングもある彼等ゆえ、クリスマスライブが今回初であったということに少し驚きを感じた。こんなにもクリスマスが似合うバンドは他に居ないだろうと感じていたのは、きっと私だけではないはずだ。

 外にそなえられた大きなクリスマスツリーも、メンバー各自がプロデュースしたグッズも、真っ白なトナカイがライブへといざなったオープニングの映像も、メインステージに設置された電飾の巨大なクリスマスツリーも、全てがオーディエンスをL’ArChristmasへと導く素晴らしい演出だった。

 氷漬けにされていたメンバーが、氷が割れる音と共にステージへと現れると、会場は割れんばかりの歓声をメンバー1人1人に向けて贈った。

 SNSなどの普及により、アーティストや演者が手の届く距離になってしまった昨今だが、そんな世の中の流れに属することなく、ここまで確固たるアーティスト性を放つL’Arc〜en〜Cielの絶対的な存在感は本当に素晴らしい。氷漬けの中からの登場に、全く違和感を感じないのは、変わらぬ4人の姿と、その絶対的な存在感を纏ったオーラによるものなのだろう。

 ロックバンドというのは、夢を魅せてくれてこそのもの。

 これは私の持論なのだが、L’Arc〜en〜Cielとはまさしくそんなロックバンドなのである。

 1曲目に置かれていた「winter fall」は、hydeのそっと息を吸い込む体温を感じる歌いだしから始まった。この、ギターでいうところのフィンガーノイズ、ドラムでいうところのゴーストノートのような、その時にしか宿らない体温は奇跡の様なもの。この時もそう。この瞬間にしかない体温が、しっかりとオーディエンスの心を掴んだのが見えた気がした。

 ライブはkenの鮮やかなギターフレーズのイントロから始まる「Caress of Venus」へと繋がれ、一気に加速していった。雪が舞うビジョンをバックに「snow drop」が届けられていくと、フロアはオーディエンスが放つL’edバンド(LEDリストバンド)の青い光に包まれた。yukihiroの流れるようなタム使いとkenのトーキングモジュレーターを使ったサウンド作りがとても印象的に曲を彩り、tetsuyaの奏でる独特かつメロディアスなベースフレーズにhydeは少し弾ませ気味に歌を乗せていった。それは、それぞれの個性が素晴らしく混じりあった瞬間だった。

 ここでhydeが平成最後にL’Arc〜en〜Cielとして4人揃ってステージに立てたことをMCで言葉にし、「BLESS」へと繋げた。

 2010年に開催されたバンクーバーオリンピックとパラリンピックのNHK放送テーマソングに起用された冬の匂いの強いこの曲は、当時の景色へと記憶を遡らせた。

 柔らかなyukihiroのドラミングとtetsuyaのベースフレーズと、煙草を燻らしながらそっと爪弾かれるkenのアコギで作り出す美しいメロディの上に、たおやかな歌声を乗せていくhyde。一気にタイムトリップさせられる感覚に導かれ、想い出の中に浸ることができる、時を経ても変らぬ美しさを魅せてくれる流石の楽曲だが、ときおり差し込まれるtetsuyaのコーラスが当時よりもボーカル力を増したことと、アコースティックギターからエレキギターに持ち変えて届けられる、kenのゲイリー・ムーアを彷彿させる泣きのギターソロにギタリストとしての年輪を重ねたことで宿った深みが加わったことで、成長を感じさせる奥行きを感じ取れたのがとても印象的だった。

 ライブの景色をガラっと変えたのは、「BLESS」の次に届けられた「接吻」だった。

 サングラスをかけ、一瞬にして印象をハードなイメージに変えたhydeは、「BLESS」の余韻を残すことなく声を歪ませた。kenもまた、彼の個性でもある透明に響く美しいギター音からダークに歪ませた音色へと変化させ、その曲を奏でた。彼等がルーツとする洋楽の往年のハードロックを思わすそのヘヴィさは、ロックバンドであるL’Arc〜en〜Cielの振り幅の広さを証明した時間でもあった様に思う。この後に繋げられたtetsuyaの重厚なベースフレーズが曲を引っ張った「fate」もまさに、ロックバンドとしてのキャッチーさとダークさが絡み合う絶妙な塩梅のL’Arc〜en〜Cielという個性と言えるだろう。

      

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