デビューシングル『泣かせてくれよ』リリースインタビュー
次長課長 河本準一×おばたのお兄さんが語る、吉本坂46で叶えたい野望「アイドルの概念を壊したい」
吉本坂46が、12月26日にデビューシングル『泣かせてくれよ』をリリースした。
吉本興行のお笑い芸人/タレントで構成される吉本坂46は、秋元康がプロデュースする乃木坂46、欅坂46に続く坂道系アイドルグループ。同作には、斎藤司(トレンディエンジェル)と小川暖奈(スパイク)がWセンターを務める表題曲をはじめ、元NMB48の三秋里歩や榊原徹士などが参加するダンスに特化した“RED”、ベテラン女芸人がボーカルを務める“ビター&スイート”などの個性豊かなユニット曲も収録されている。
リアルサウンドでは、吉本坂46のキャプテンを務める河本準一(次長課長)とフロントメンバーであるおばたのお兄さんにインタビュー。オーディションからグループ結成までの歩み、お笑い芸人だからこそできるパフォーマンス、そして今後のグループの展望など、虎視眈々とトップアイドルの座を狙う吉本坂46の全貌を聞いた。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】
「アイドル=若い子という概念を壊してもいい」(河本)
――吉本坂46というグループができると聞いた時はどう思いましたか?
おばたのお兄さん(以下、おばた):芸人がアイドル、しかも秋元康さんプロデュース、しかも坂道シリーズ……規模が大きすぎて何もピンとこないというか。
河本準一(以下、河本):確かに飲み込むまでに時間がかかりました。吉本は過去にアイドルを何度か手掛けていて、その二の舞になる可能性大だなと。まぁ、僕の嫁が元大阪パフォーマンスドール(以下、OPD)なんですけど。ただ、OPDは東京パフォーマンスドールの妹分として結成された女性アイドルグループだったじゃないですか。吉本坂は芸人を中心とした男女混合グループで、いま人気のある坂道シリーズの3番目なんてクッションなさすぎ。骨が折れますよ。
おばた:そうですね(笑)。
河本:乃木坂、欅坂の次に「アイドルなのかな? 芸人なのかな?」というグループを挟んでいたらいいけど、いきなりお笑いにギューンと降りたらケガしますって。粉砕骨折ですよ。
――劇場の楽屋にも吉本坂のポスターが貼られて、広く募っていましたよね。
おばた:対象は吉本のタレント6000人でしたから。
河本:もちろん「受ける受けない」は個人の自由でしたけどね。そうや。ばたお(おばたのお兄さん)はなんで受けようと思ったの?
おばた:僕は「M-1を獲りたい」「R-1を獲りたい」という気持ちで吉本に入ったわけじゃなくて。あくまでエンターテイナーを目指してるんです。究極はディズニーランドですから。そういう意味では、吉本坂というグループで人を楽しませることは自分の志向に合ってるのかなと思ったんです。だから、可能性があれば受けてみようと思って。
河本:全然合ってるでしょ。ばたおみたいな芸人は少ないからチャンスだったと思う。
おばた:ありがとうございます。エハラマサヒロさんも僕と近いのかもしれません。
――河本さんはどんな理由でオーディションを受けたんですか?
河本:2つあったんですよ。ひとつは嫁が元OPDだから、両親ともにアイドル経験者という家庭が面白いんじゃないかと思って。そもそも43歳という年齢でアイドルという肩書が加わったら面白いじゃないですか。
――もうひとつは?
河本:仮にオーディションに落ちても面白いし、吉本坂がフワッと自然消滅しても面白い。3年くらいはエピソードトークで使えそうだなって。万が一、合格して入った吉本坂が「めちゃくちゃカッコいいやん!」と評判になったら、他の芸人が歩いてない道が広がるわけじゃないですか。一番カッコ悪いのはハナから文句を言ってるヤツ。まぁ、ウチの相方(井上聡)ですけど(笑)。
――河本さんはもちろん、芸人としての地位を確立している方たちも受けてましたよね。
おばた:それがめちゃくちゃ意外だったんです。いま何も持っていない若手がしがみつくオーディションだと思っていたので。売れてるお兄さん方は俯瞰で面白がるスタンスなのかなと思ったら、けっこうな人数がオーディションを受けてて。改めて、会社を挙げての一大イベントなんだと実感しました。
河本:僕は逆で、「同世代の芸人がもっと受けるんやろうな」と思ってましたね。
おばた:そうなんですか!
河本:だから裏切られた気持ちなんですよ。挑戦したことを笑いにしようと思わなかったのかなって。水着審査だってあるんですよ。『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で「吉本坂を受けた時の写真がこちら!」で水着の写真が出て、「そりゃ落ちるやろ!」で回収できるじゃないですか。早く2期オーディションが始まってほしいです。今度は全員参加で、松本人志さんと西川きよし師匠も水着審査をお願いします(笑)。
――若手の頃は番組出演のためのネタ見せも多かったと思いますが、いまは立場が違うわけ
で。「いまさら審査されるの?」とは思いませんでしたか?
河本:いや、逆に20代だったら尖ってたので受けなかったかもしれません。いまは43歳のアイドルという旨味を分かってるんです。「アイドル=10代から20代半ばの若い子」という概念を壊してもいいんじゃないかって。