JUJU、初心者でも楽しめる“おいしい”ジャズアルバム 『DELICIOUS』シリーズ最新作を聞く

JUJU、ジャズとの奥深い関係性

“ジャズシンガー・JUJU”の素晴らしさ伝わる「My Favorite Things」

 1959年に初上演されたミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』のために書き下ろされた「My Favorite Things(邦題「私のお気に入り」)」(作詞/オスカー・ハマースタイン2世、作曲/リチャード・ロジャース)は、洗練されたメロディが印象的なナンバー。ミュージカル女優、ジュリー・アンドリュースの歌唱によってヒットしたこの曲は、1961年に伝説的サックス奏者、ジョン・コルトレーンがカバーしたことでジャズスタンダードとして広まった。1965年にアンディ・ウィリアムス(「ムーン・リバー」「ある愛の詩」など、1960〜1970年代を代表するアメリカの歌手)がクリスマスアルバムでカバーしてからは、冬の定番曲とも知られるようになった。

(写真=西槇太一)

 JUJUバージョンの「My Favorite Things」は、原曲の華やかさ、軽やかさを残しながら、オーセンティックなジャズとしての魅力をたっぷりと反映したトラックに仕上がっている。中心にあるのはもちろん彼女自身の歌。心地よいスウィング感とともに起伏に富んだメロディを描き出し、〈I simply remember my favorite things/And then I don't feel so bad〉(あたしは自分の好きなモノを思い返すの / そしたら嫌な気分なんてすぐに消えちゃうわ)という歌詞の奥深い意味をまっすぐに響かせるボーカリゼーションからは、“ジャズシンガー・JUJU”の素晴らしさを感じ取ってもらえるはず。ピアノ、ベース、ドラムが美しく絡み合い、ホーンセクションが豊かな色彩を与えるアレンジメント、確かな技術と豊かな表現力を合わせ持ったミュージシャンたちのインナープレイも、この楽曲の聴きどころ。『Mステ』に出演することで、その魅力はさらに多くのリスナーに浸透することになりそうだ。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

JAZZ ALBUM『DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 3rd Dish~』

■リリース情報
JAZZ ALBUM『DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 3rd Dish~』
「Englishman In New York (Duet with 久保田利伸) 」「My Favorite Things」「Remember (The Good Times)」先行配信中
2018年12月5日(水)発売
¥3,240(税込)
<収録曲>
01. Remember (The Good Times)  
02. New York New York
03. Englishman In New York(Duet with 久保田利伸)
04. Fly Me To The Moon 
05. I Didn’t Know What Time It Was
06. Stolen Moments
07. Walk On By
08. Black Coffee
09. Besame Mucho
10. Smile
11. What A Wonderful World
12. Walk Between Raindrops
13. My Favorite Things 
14. メトロ / JUJU×松尾 潔×小林武史 

■関連リンク
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