稲垣吾郎、刺激的な『ばるぼら』主人公役への期待 原作との共通点を考える
以前、稲垣は『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)で、ブログを書くとき“ファンが見たい自分“を意識していると語っていた。“素を見たい“というのは、多くのファンの願いだが、その“素”には“こうあってほしい“という願いが込められている。その願いとリアルとが融合した空間に、アイドルというエンターテイナーは生きているのかもしれない。夢から目覚めた現実なのか、それとも現実のような夢なのか。そんなまどろみの中にいるような感覚が、『ばるぼら』でも味わえることだろう。
“色気がダダ漏れるエロい稲垣吾郎“という意味では、これまで見たかったと熱望したものが見られるに違いない。一方で、私たちの知る“美しい稲垣とは真逆の姿“を、まざまざと見せつけられる残酷さも孕んでいるだろう。それは、甘くも苦しい水中のキスのようだ。
「撮影が終わると、もうばるぼらに会えなくなるのかなと寂しくなってしまいました。夢を見ていたような感覚が残っています」。製作発表会での稲垣のコメントは、ばるぼらに魅せられた美倉と共鳴しているようにも聞こえる。稲垣が見た、現実に潜む甘美な夢の世界へ、私たちも早く誘われたい。
(文=佐藤結衣)