[ALEXANDROS]、GLIM SPANKY……“世界のマーケット”にも通用するアーティストの新作

Maison book girl『yume』

 2018年5月にイギリス・ブライトンの国際音楽フェス 『THE GREAT ESCAPE FESTIVAL2018』に日本代表として出演するなど、海外での活動を継続して行っているMaison book girlの2ndフルアルバム『yume』。楽曲とインタールードを交互に並べる構成の妙、夢と現実、生々しさと無機質が絡み合うストーリー性など、アルバム全体のコンセプトワークは前作以上に濃密。エレクトロニカとノイズと現代音楽を橋渡しするようなサウンドメイク、変拍子、ポリリズム、不協和音を反映させたアレンジをポップスとして成立させるプロダクションもさらに進化している。先鋭的なジャケットのアートワークなど、CDというパッケージの可能性を追求するスタンスを含め、日本のポップカルチャーの特徴を集約したグループだと思う。

Maison book girl「狭い物語」MV

SUSHIBOYS『350』

 岡崎体育、SEEDA、SALUなどが絶賛する埼玉県出身のヒップホップグループ・SUSHIBOYS。前作『WASABI』から約半年のインターバルで届けられた新作ミニアルバム『350』は、スーパーマーケットを舞台にした「Shopping Cart Racer」、日本が誇る調味料をテーマにした「味の素」、カードゲームを巡る戦いを描いた「遊戯王」など6曲+ボーナストラック「とりま」1曲を収録。日本の(ぜんぜんクールじゃないほうの)カルチャーを、ドープかつオリエンタルなトラックメイク、徹底的に洗練されたフロウによって凄まじくカッコいいヒップホップへとつなげるセンス/技術は大きく向上。日本のヒップホップを代表する存在になってほしいと願わずにはいられない。

SUSHIBOYS「Shopping Cart Racer」MV

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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