嵐「君のうた」にはドラマ同様の“優しさ”が詰まっている 『僕とシッポと神楽坂』主題歌を聞いて
「子どもが生まれたら犬を飼いなさい」。イギリスには、こんなことわざがあるという。赤ん坊のときには子どもを守る存在となり、幼少期には遊び相手に、そして少年期には一番身近にいる理解者となってくれるペット。そして、青年期には自らの身をもって命の尊さを教えてくれるという意味だそうだ。
本作でも、トキワ(広末涼子)の息子・大地(矢村央希)がダイキチの世話を通じて、一つずつ思いやりの心を育んでいく姿が描かれる。きっと共に過ごした日々は、「君のうた」の〈涙に暮れたとしても 塗り替えてゆく/強さを教えてくれた 君の温もりを〉という歌詞の通り、大地の中に強さと優しさを芽生えさせてくれることだろう。
「出会えてよかった」。その想いの数だけ、人生が豊かになる。だとしたら、この歌も、そしてドラマも、さらには嵐も、もしかしたらペットのようにいつもそばにいて、強さを教えてくれる存在になるのかもしれない。今夜は、嵐の優しい歌声に酔いしれながら、身近な存在に感謝してみてはいかがだろうか。
(文=佐藤結衣)