BTSの躍進にミックステープが果たした役割 Tempalayなど愛聴するRMソロ作を中心に考察

 こうした実績から、BTSの躍進にミックステープが果たした役割は少なくないだろう。日本でもラッパーがミックステープを発表する例は近年枚挙に暇がないが、メジャーに活躍するアイドルユニットからミックステープが連発されるようなことは珍しい。今夏、SKY-HIがミックステープを発表して話題を呼んだが、フリーダウンロードの期間が限定されているなど、内容以前に日本のメジャーレーベルという環境ゆえの制限を感じさせるものだった。

SKY-HI / Free Tokyo -Teaser Movie-

 これらの作品は、BTSからは窺い知れない一面や音楽性を楽しむことはもちろん、まだミックステープについて深く知らないというリスナーにとっては、いまやヒップホップ以外のジャンルにも波及している“ミックステープ文化”に触れる機会でもある。ちょうど、今夏には小林雅明『ミックステープ文化論』(シンコーミュージック・エンタテイメント)という好著が出版されたばかり。あわせておすすめしたい。

■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」

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