UVERworld、誠果 生誕祭ライブに見るメンバーとの絆 19年間の歩みを凝縮したステージを振り返る
「誠果は19歳でこのバンドに入ってから、サックスを始めたんだよ。だからバンド歴とサックス歴が一緒。それってすごくない? よく考えてみろよ、サックス吹いたことない奴が“今日から始めます”ってサックスとして入るんだよ?! バンドを組もうと話していた日に、誠果はサックスを買ってきて始めた。本当にそんな始まりなんだよ!」
すると誠果が1本のサックスを掲げる。それが、その時に初めて買った1本なのだそうだ。最初はサックスを全然吹けず、だからこそデビューの時にも一旦は裏方にまわったということも打ち明けられた。2014年に正式メンバーとして戻り、今やUverworldの一番の武器のようになった誠果という存在。彼について、溢れんばかりの愛を滲ませながら話すTAKUYA∞が印象的だった。
そうした流れで披露された「優しさの雫」は、TAKUYA∞が人生で2曲目に作ったというUverworldにとってもレアな、バラードソング。誠果のサックスをフィーチャーしようと作られた、思い入れのある1曲だということも語られた。この曲を誠果がこの日のセットリストに入れてきたこと自体、TAKUYA∞にとっては大変嬉しいことだったのだろう。
その後「CORE STREAM」以降、終盤までの流れは一気にいつものUVERworld的世界観でブチ上げ続けた6人。メンバーからの言葉でのメッセージでなく、このステージで披露される態度、曲のなかにすべてが込められているのを感じ取れ! と常に彼らが話す通り、生誕祭で披露されるセットリストの意味合いも、受け取り方はオーディエンスに任せられている。
とはいえ、ラウドなサウンドを持ち味をしているバンドにサックスの誠果がいることの意味がこれでもかというほどに体感できた誠果自身によるセットリストは、ファンの記憶にも深く刻みつけられたことだろう。そして、彼らが過ごしてきた19年間という時間の濃密さも語られた、今年の誠果生誕祭。Crewのひとりひとりが、日々さまざまな音楽、フェス、映画、アートにふれ、心を震わせていく。それでも一年を振り返っていちばん心に残ったのはUVERworldの今日のライブだったと言わせたい、というこの日のTAKUYA∞が話した一言は、やはり胸に残る。
彼らは常に己を超えていく。終盤に披露された新曲「EDENヘ」を11月7日にリリースするUverworld。そしてその週のはじめ、11月5日には真太郎の生誕祭が待ち受けている上に、怒涛のツアー後半戦が年末に向けて続いていく。その目と耳、身体全体で、これからも日々更新され続ける彼らの現在とその先を、ひとりでも多くの人に見届けてほしい。
(取材・文=鈴木絵美里)
<2018年9月25日 ZEPP Diver City セットリスト>
1、DECIDED
2、ナノ・セカンド(short ver.)
3、WE ARE GO(short ver.)
4、ODD FUTURE
5、Fight For Liberty
6、LIMITLESS
7、誰が言った
8、PRAYING RUN
9、シリウス
10、優しさの雫
11、CORE STREAM
12、Wizard CLUB
13、CORE PRIDE
14、Q.E.D
零HERE
15、IMPACT
16、EDENへ
17、Ø CHOIR
18、在るべき形