King & Prince「Memorial」は結婚式の定番ソングに? 「シンデレラガール」“続編”的楽曲を聞く

 今作の作詞・作曲・編曲のすべてにクレジットされている坂室賢一は、ジャニーズとはこれまでにA.B.C-Z「Fire in Love」、KAT-TUN「FUNtastic」、Hey! Say! JUMP「BANGER NIGHT」「Virtual Butterfly」といった楽曲に関わってきた(どれも共作)。

 また、King & Princeとしてデビューする以前に岸優太・神宮寺勇太・岩橋玄樹の3人のPrince名義でのオリジナル曲「描いた未来~たどり着くまで~」の作詞を担当したのが同氏である。つまり、坂室と彼らは完全に初のタッグというわけではないのだ。ちなみにその曲の歌詞にはこうある。

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流れ行く時代の 狭間で 気が付けば 塞いだ
目の前の高い壁は
自分でそう 作り出した
あの日の夢は いつもここにある
光が差して
僕らを呼んでいる
導いている

「描いた未来~たどり着くまで~」(作詞:坂室賢一)より

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 今思えば、デビュー目前と噂されながらもなかなか決まらず不安になっていた彼らが、ついにはジャニー社長に直談判するまでに至った強い気持ちの変化にリンクした歌詞である。まるで彼らが近い将来デビューに踏み切ることを後押ししているかのような内容だ。晴れて今年デビューを果たした現在の彼ら自身も、今回の新曲には特別な思いがあるだろう。なぜなら、デビュー前の自分たちの心境を言葉にしてくれた作家が曲を作っているのだから。

 5分間弱の今作を聴き終えて、多くの者から最初に出てくる感想が「シンプルに良い曲」ではないだろうか。長年愛される曲は得てしてそういうものである。結婚式の定番ソングとなる予感さえあるだろう。そうなれば、彼らが謳う“永遠”もまた別の意味を帯びてくる。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

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