NMB48 山本彩、ラストセンター曲で描かれたアイドルとしての8年間 笑顔で別れ告げたMVを解説

 続けて、MVから見える山本彩の存在感の大きさを聞いた。

「山本さんは、絶対的エースでありながら、所属チームとグループ全体をまとめるリーダーでもあります。そんな大役をここまで長く務められたのは、山本さんの人柄あってこそではないでしょうか。一人ひとりに気を配って信頼関係を築ける人望は、彼女だからこそ持ち得たもの。そういう前提で見ると、メンバー全員が出演していることは納得。大好きなキャプテンのために、みんなが集まったというストーリーも感じますし、会話のシーンも最後の別れを惜しんでいるように感じます。それに、過去の映像でも、彼女がメンバーを牽引している様子や仲の良い様子がわかりますよね。山本彩さんが、アイドルとしての8年間で積み上げてきたものが改めて感じられます」

 最後に松本氏は、「『僕だって泣いちゃうよ』はメンバーやファンにとって複雑な曲になるかもしれない」と語った。

「アップテンポで乗りやすく、コーラスもしやすい曲なので、今後ライブなどで聞く分には、湿っぽくならない気がします。でも、山本彩さんの存在が大きかっただけに、メンバーや熱心なファンは彼女の姿を思い出してしまう……ちょっと複雑な曲になるかもしれません。歌もダンスも48グループトップクラスで、それだけ人望もあってファンも多い山本さん。最近はソロ活動もしていて、次の夢がわかりやすかったのでファンも応援しやすいですね。今年の5月にはニューヨークに行っていたそうですが、今後の活動にもつながる勉強のためだったのだと思います。山本さんなら、一人になっても十分活躍できると思いますし、MVでも最後の瞬間まで笑顔だった彼女のまま信じた道を駆け抜けていってほしいですね」

 9月25日公開されたMVは、すでに100万回再生を突破。SNS上でも山本彩の卒業を惜しむ声、エールを送る声など、ファンの様々なコメントが溢れている。「僕だって泣いちゃうよ」のMVのラストシーンで山本彩は、笑顔でメンバーとハイタッチを行い、最後にメンバーの方へ向き直ってピースサインを送ったあと、新たな道へと駆け出した。NMB48としての山本彩を、最後の一瞬まで目に焼き付けておきたい。

(文=泉夏音)

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