欅坂46 今泉佑唯は新たな希望へと歩み始めた 卒業の真相語った各誌インタビューから感じたこと

 そんな今泉は、今年の目標の一つに写真集を出すことを掲げていたという。念願のソロ写真集『誰も知らない私』は、一番落ち込んでいた時期にオファーを受けたが、ジム通いやロケなどをしたことで元気を取り戻したそうだ。メディアに向けて発表された先行カットでは、ボディーラインがくっきりと分かるビキニや、ランジェリー姿などが披露されていた。アイドルグループの中でも特に肌の露出が少ない欅坂だからこそ、ここまで大胆な姿を見せるのは前代未聞。本人としても10代最後の姿を残したメモリアルな写真集ではあるが、残り少ない欅坂としての活動の中で、ファンへ向けた最後のプレゼントだとも言える。またストイックに身体を絞り込んだスタイルからは、ファッション誌『ar』のレギュラーモデルも含め、これからモデルとしても活躍の場を広げて行くことへの所信表明とも感じとれる。

 そして女優として現在『恋のツキ』(テレビ東京系)に出演中。Netflixとの共同制作であるだけに、今まで欅坂メンバーが出演した映画やドラマとは比べ物にならないほど過激な描写が多い印象だ。今泉は、31歳の女性と15歳の男子高校生の禁断の恋に割って入る女子高生・サカキ役を演じている。第6話エンディングシーンで初登場した今泉は、ピアノでドビュッシーのアラベスク第1番を演奏するという、あまりにも美しい姿でインパクトを残した。青春時代のピュアさゆえに醸しだされる色香や、一見明るいが、2人の関係を知ってどうしようもなく辛い気持ちに苛まれていく姿は、まさに今泉にピッタリの役だと言える。グループではあまり感じられなかった演技力が開花したことで、改めて今泉のポテンシャルの高さとソロで活きる人材だということを実感した。

 まだ正式な卒業日は発表されていないが、20歳を迎える前に大きな決断をした今泉。グループのことを考えるとやはり複雑な心境なのは否めないが、アイドルはいずれ誰もが通る道でもある。「欅坂46のメンバーとして何かを残すことができなかったので、ゆっくり恩返しができれば」という今泉は、ドラマ出演、そして初のソロ写真集発売と、新たな希望へと着実に歩み始めた。不器用な性格の今泉は、今まで欅坂ではできなかった新たな表現の場にたどり着いたとき、我々にどんな景色を見せてくれるのだろうか。

(文=本 手)

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