53rdシングル『センチメンタルトレイン』インタビュー
AKB48 横山由依&武藤十夢&向井地美音&田中美久が語る、これからのグループ像「自分たちの世代でもう一度大きな波を起こしたい」
メンバーの数だけ物語がある(向井地美音)
ーー横山さん、乃木坂46の生駒里奈さんの卒業ライブ(2018年5月22日)を観ていたと思いますが、何か感じることはありました?
横山:乃木坂46のメンバーはみんなキレイで、どの場面を観ても素敵だなと思いました。とくに生駒さんのことをキレイな涙で送り出していたことが印象的でした。比べるわけではないですが、高校野球みたいに喜怒哀楽を爆発させることがAKB48の強みなんだなって改めて思いました。いまはグループ全体で人間臭さを出していってもいいんじゃないかと思っています。
ーー武藤さんと向井地さんもAKB48にとって人間臭さは魅力だと思いますか?
武藤:イベントがあればグチャグチャになるまで泣く、そんな体当たり感がAKB48の魅力のひとつになっていることで、ファンの方も私たちに寄り添っていただけているんじゃないかと思っています。
向井地:以前は、アイドルはステージで輝くというイメージだったんですが、AKB48を知った時にメンバーの数だけ物語があるところが面白くて、素敵なグループだなと思いました。それがAKB48の強みだなって思います。
ーー昨年1月から取り組んでいる『豆腐プロレス』もかなり泥臭いですよね。
向井地:『豆腐プロレス』は私個人としても、グループとしても挑戦でしたが、AKB48じゃないとできない企画だし、それがAKB48の面白さだと思ったので「やってみよう」と臨みました。
ーープロレスファンからAKB48のファンになった方もいたんでしょうか?
向井地:握手会に新日本プロレスのキャップを被っていらっしゃる方や、プロレスファンの方は増えたと思います。
横山:「ライブは観たことがありませんが、豆腐プロレスの興行は2回とも観ました。ロングスピーチ横山さん、好きです」とおっしゃってくださる方もいて。プロレス団体と思っている人がいるかもしれないです(笑)。
一同:(笑)。
横山:プロレスの練習はキツいし、ケガも怖いけど、メンバーみんなで泣きながら頑張ったことが伝わっていたらうれしいですし、そこからライブにつながればいいなと思っています。
ーープロレスのリアルと物語がリンクしていく部分はアイドルと近いと思います。
横山:みーおんがよく言っています。
向井地:プロレスをやってみて、アイドルと共通することがあるんだと気づきました。
ーープロレスファンが握手会に来てくれたように、今後は既存のファン層以外へのアピールも重要になってくると思うんです。韓国で行われている『PRODUCE48』では、田中さんの相棒であるHKT48・矢吹奈子さんが活躍してますよね。
田中:うれしいです。
ーーなかには『PRODUCE48』などAKB48グループの活動以外で輝けるメンバーもいるので、そういった場が多いほどいいのかなと思います。
横山:あるオーディションに落ちた時、「ここじゃないところで売れていった子をたくさん見てきたから、これからも頑張ってください」と言われたことがありました。確かに、どの場所が向いているか挑戦してみないと分からないと思うんです。AKB48・竹内美宥ちゃんは自分の好きな音楽を貫き続けたから、『PRODUCE48』でも注目されるようになった。アイドルを長く続けているとツラいこともありますが、無駄なことなんてひとつもないと思ってます。
ーープロレスをやったメンバー、韓国でアイドルを学んだメンバー……それぞれの武器を持ったメンバーがいることで、AKB48グループにアベンジャーズ感が出ると思います。
横山:そうですね。個が強くなれば全体も強くなるし、それぞれのジャンルで頑張っているメンバーから刺激を受けて「私も負けずに頑張ろう」と思えます。
ーー先ほども話していましたが、向井地さんにとっての武器は「AKB48グループ センター試験」で証明したAKB48愛になるわけですよね。
向井地:いままで「全メンバーの中でこれなら負けない」というジャンルがなくて、自分の個性やキャラクターを探し続けてきましたが、センター試験で「AKB48への愛は誰にも負けない!」と確信できたことで自信がつきました。
ーー田中さんはアイドルに強い信念を持ってますよね。
田中:いまアイドルをやっていることがすごく楽しくて、休みの日でもSHOWROOM配信でファンの方と交流をしていたいです。アイドルを観ている側だった時はキラキラしているところしか見えませんでしたが、実際はキラキラしている分だけツラいことや悲しいことがあって。そのツラさや悲しさを分け合えるメンバーやファンのみなさんとは家族みたいな存在になっているんです。なので期待にも応えたいんです。
ーー武藤さんの中で理想のアイドル像はありますか?
武藤:私の理想像ってないんです。AKB48の中だけでもいろんなメンバーがいるので、どんな形があってもいいのかなって思っています。私自身はAKB48で唯一の大学院生で、気象予報士を目指しているので、それもひとつの形ですし、それぞれの将来の目標に向かって、ファンの方と一緒に進んでいけばいいんじゃないかと思っています。
ーーアイドルとしての心得を妹(AKB48・武藤小麟)に伝えることはないですか?
武藤:私を見て「楽しそうだな」と思ってAKB48に入りましたが、『ネ申テレビ』(ファミリー劇場)で想像以上に過酷なことがあったみたいで、泣きながら電話をかけてきたことがあったんです。私からは「アイドルを続けたいならまだ先は長いんだから、死ぬわけじゃないし頑張るしかないよ。その壁にぶつかっているところを見て、ファンの方は応援してくれるんだよ」と話しました。
ーー愛がある激励だと思いますよ。最近はNMB48・上西怜さんやSTU48・薮下楓さんなど、姉の背中を見てAKB48グループに入ったメンバーも増えているじゃないですか。長く続いていくグループとしてはいいつながり方だと思います。
横山:そうですね。
ーーゆくゆくは誰かの娘が入るかもしれません。
向井地:あるかもしれないです(笑)。
横山:そうなるくらいまでグループを続けていくことも密かな目標です(笑)。