53rdシングル『センチメンタルトレイン』インタビュー
AKB48 横山由依&武藤十夢&向井地美音&田中美久が語る、これからのグループ像「自分たちの世代でもう一度大きな波を起こしたい」
AKB48が、53枚目となるシングル『センチメンタルトレイン』を9月19日にリリースした。『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』後のシングルとなる今作についての話を聞くべく、AKB48より横山由依、武藤十夢、向井地美音、そして初選抜となったHKT48・田中美久にインタビューを行った。世界選抜総選挙後のこれからのAKB48について、各メンバーの意識やそれぞれの活動での強み、「センチメンタルトレイン」の魅力について語ってもらった。(編集部)
いまのメンバーでまた東京ドームからの景色を観たい(横山由依)
ーー田中さんはこのメンバー(AKB48・横山由依、武藤十夢、向井地美音、HKT48・田中美久の4人)で取材を受けることに違和感はないですか?
田中美久(以下、田中):あります(笑)。でも、選抜としての活動を通して、3人とは仲良くなったと思っています!
向井地美音(以下、向井地):うれしい!
田中:最近はHKT48で活動していると先輩の立場になることが多いですが、今回の選抜では後輩でいられることの安心感もあります。
ーーそれも世界選抜総選挙で10位に入ったからだと思うのですが、総選挙前はHKT48のWセンターとしてのプレッシャーはありましたか?
田中:「選抜を目指している」と公言していたこともあって、いままでの総選挙よりも重圧がありましたが、ファンの方たちの支えがあったので開票イベントには自然体で挑むことができました。
ーー「私の青春の全てをHKT48に捧げました」とスピーチしました。
田中:HKT48に入ることができて良かったと改めて思えましたし、AKB48の選抜メンバーとして活動できることもうれしくて、いまが青春だなと思っています。
ーー武藤さんは2年ぶりの立候補でしたが、やはり総選挙に強いというか(7位)、ファンから愛されているんだなと思いました。
武藤十夢(以下、武藤):2年ぶりというドキドキはありましたが、いままでの総選挙の中でも一番といっていいくらいファンの方と一致団結できたことで、自己最高順位につながったのかなと思います。ファンの方には感謝の気持ちでいっぱいです。
ーー総選挙でのスピーチで「私のような年長のメンバー」と言ってましたが、まだ23歳ですよね。
武藤:でも、Team Kの中では、私が2番目に年長なんです。一番上が峯岸(みなみ)さん。若いメンバーも頑張っているけど、私と同じ世代のメンバーが活躍できる場面がもっと増えたらいいなと思っています。私もまだまだいけるので(笑)。
ーー向井地さんは「いつの日かグループの総監督になりたい」とスピーチしましたが、いつ頃からそう思いはじめたんですか?
向井地:漠然と「AKB48を引っ張っていける存在になりたい」とは思っていましたが、「AKB48グループ センター試験」で1位になった時に「グループ愛に自信を持っていいんだ」と意識が変わりました。普段から総監督・横山さんのことを側で見ていて、総監督はAKB48愛がないと務まらないポジションだと感じていましたが、「いつかその場所に立ちたい」と思うようになりました。
ーー総監督という立場になると自分を抑えなければならない場面も出てくるかもしれません。
向井地:AKB48は夢を叶えるための通過点ということもありますが、私は加入当初から「AKB48で夢を叶えたい」と言ってきて。最初から「自分よりグループのために何かをしたい」という想いが強かったんです。卒業を考えたことは一度もないし、20周年の時もAKB48にいたいし、これからもグループのためになれるような存在でありたいです。
ーーファンの方の反応は?
向井地:すごく驚かれました。いままで「センターを目指しています」とは言ってきましたが、「総監督」とは言っていなかったので。ただ、総選挙後の握手会では「ビックリしたけど応援しているよ」とおっしゃってくださる方が多かったので、これからはまっすぐ目標に向かって頑張っていきたいです。
ーー横山さんは向井地さんの「総監督を目指す」宣言を聞いて、どう思いましたか?
横山由依(以下、横山):スピーチをする前日にみーおん(向井地)から「言ってもいいですか?」と聞かれたんです。そういうところもしっかりしているなと思いました(笑)。みーおんとは普段一緒にいてAKB48の話をすることがすごく多くて、以前から想いは一緒だなと感じていたんです。みーおんが総監督を目指してくれたことで、たかみな(AKB48グループ初代総監督・高橋みなみ)さんがやってきたことを私が受け継いでこられたのかなと思って、少し気持ちがラクになりました。
ーー「総監督は譲らない!」という気持ちはなく。
横山:私も卒業を考えているわけではないので、いますぐみーおんに譲ることはないですが、目指してくれていることはうれしくて。みーおんにもそう伝えました。
ーー将来的にバトンタッチするとして、その時はいま以上の状態にAKB48を持っていきたいという気持ちもあるかと思います。
横山:そうですね。「東京ドームでコンサートをする」と何度か言ってきましたが、実現するためにはメンバー個人個人がもっと力をつけて、それぞれが何をすべきか考えなきゃいけない、そういう意味でも東京ドームを大きな目標として掲げているんです。先輩に東京ドームに連れていってもらってコンサートをした時は、圧倒されて「ここで人生が終わってもいい」と思えるほどの景色でした。あの気持ちをまた味わいたくて、いまのメンバーでまた東京ドームからの景色を観たいと思っています。
ーー横山さんは総選挙のスピーチで「AKB48は勢いがないと言われてしまうことが最近あって」と話していました。AKB48は人気が定着して、現在は安定している状態とも言えるとは思いますが。
横山:歴史があるグループなので、波があることは分かっていますが、自分たちの世代でもう一度大きな波を起こしたいと思っています。自分自身の役割としては、伝統を伝えていくことと、「入り口」になることだと思っています。
ーー「入り口」とは?
横山:総監督としてグループのことばかり考えて、自分の夢を後回しにしてきた部分もありました。けれど、みーおんをはじめとして頼もしいメンバーが増えたので、グループでの役割を分け合いながら、自分自身の本来の夢である「歌える女優」を追いかけたいなと。そこで活躍する私を見ていただいて、「この子はAKB48なんだ」と認知してもらい、ファンの方が増えたらいいなと思っています。