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小室哲哉、最後の映画音楽作品を検証 シンセサイザーというタイムマシンが伝えるもの

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「SUNNY 強い気持ち・強い愛」Original Sound Track Soundtrack

 テレビでは、“平成最後”を枕詞に90年代特集が繰り返されており、バブル〜コギャル〜プリクラなどのキーワードが日々飛び交っている。そんな中、小室哲哉が自身最後の映画音楽となる劇伴24曲を手がけた青春音楽映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が話題だ。本作は、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』をもとに日本版として再構築された作品であり、劇中では小沢健二「強い気持ち・強い愛」や安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」などの90年代J-POPソングが多数使用されている。90年代に日本で青春を過ごした世代であれば、共感できるシーンでいっぱいだろう。

 監督の大根仁は、小室へ映画音楽を発注するにあたり“ストリングスとピアノは使わないで”と伝えたという。小室哲哉が広めたシンセサイザーを活用した打ち込みサウンドを求めたのだ。しかも、90年代当時の機材を使うというこだわりで。シンセサイザーは時代とともに進化し続けてきた楽器だ。時代に合わせて様々な音色を持つ。そのことを、大根監督は理解していたのかもしれない。

 サウンドトラックに耳を傾けると発見があった。2曲目「みんなに会いたい」でのTK節を感じられる甘酸っぱい気持ちになれる音の響き。宮沢りえ主演、1988年公開の映画『ぼくらの七日間戦争』で流れた名曲「WINNERS」を思い起こさせてくれた。「みんなに会いたい」は、実は24曲目で「SUNNY」というタイトルで少しだけアレンジを変えて再び収録されている。小室にとっても映画にとっても重要なナンバーなのかもしれない。

 さらに、4曲目「転校生 阿部奈美」のシーンでは、TM NETWORKを代表するアルバム『CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』(1988年発売)のツアー時におけるミュージカル的なSEを彷彿とさせた。5曲目「たまり場」でのギターカッティング風のサウンドは安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」のインタールードっぽくもあり、様々な要素が作品から見えてくる。23曲目「芹香の遺言」でのしっとりと響くコード感からはTM NETWORK「SEVEN DAYS WAR」の音像が浮かび上がってくる。

 アンビエント感溢れるシンセサウンドの響きと言えば、小室は2008年にリリースされたソロシリーズ『Far Eastern Wind』でもチャレンジしており、よりプログレッシブロック感溢れるアンビエントサウンドという視点では、1990年9月21日にリリースした隠れた傑作アルバム『Psychic Entertainment Sound』も思い出される。

      

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