sumika、ゲス極、androp、クロマニヨンズ、ORANGE RANGE……日本のバンドシーンの現在

ザ・クロマニヨンズ『生きる』

 2006年の結成以来、ほぼ1年に1枚のペースでアルバムを出し、毎年ツアーを続けてきたザ・クロマニヨンズ。今回のニューシングル『生きる』でも“やっている音楽はまったく変わらないはずなのに、新作はいつも新鮮に聴こえる”というマジックはさらに冴えまくり、斬新すぎるロックンロールを体現している。生々しいライブ感に溢れたバンドグルーヴも素晴らしいが、特に〈見えるものだけ それさえあれば/たどり着けない答えは ないぜ〉〈時間なんか 無かった〉という歌詞には本当にドキドキさせられた。驚くほどシンプルな言葉で人間の本質を射抜く甲本ヒロト、マーシー(真島昌利)のロックンロールはやはり格別。本人たちに聞いても「そんな難しいこと考えてないよ」と言われるだろうけど。

ORANGE RANGENGE『ELEVEN PIECE』

 2016年の15周年のアニバーサリーを経て、昨年はEP盤『UNITY』のリリース、全国ホールツアーなど、着実な活動を重ねてきたORANGE RANGENGEの約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『ELEVEN PIECE』。すでにライブで披露されている「Ryukyu Wind -ELEVEN PIECE ver.-」「Hopping」などの先行配信曲を含む本作には、テクノ、エレクトロ、ロック、ヒップホップなどを行き来するサウンド(NAOTOの自由な創造性、完全に歯止めが効かなくなってます)、ナンセンスな雰囲気と真摯なメッセージ性が自然に共存するリリックなど、このバンドの特徴がさらに強く押し出された作品となった。個人的ベストトラックは、近未来的エキゾチシズムと呼ぶべき「KONNICHIWA東京」とYOH(Ba)の作詞作曲によるメッセージソング「大きな夢の木」だ。

ORANGE RANGE「Ryukyu Wind」MV

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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