KICK THE CAN CREWの新たな攻めの一手 岡村靖幸とのコラボで生まれた“一対一のラブソング”

KICK×岡村靖幸コラボの“攻めの一手”

 KICK THE CAN CREWと岡村靖幸。そしてプロデュースは蔦谷好位置。ありそうでなかった絶妙な組み合わせというだけでもテンションが上がるが、しかもそこから〈そうさ住所 一緒のとこにしよう 約10畳くらいの部屋でどう?〉というパンチラインが生まれてくるから感服する。

 KICK THE CAN CREWが、約15年ぶりとなるシングル『住所feat. 岡村靖幸』を8月29日にリリースする。昨年に結成20周年を迎えて完全復活、アルバム『KICK!』のリリースやツアーを経てシーンの第一線に戻ってきた彼ら。これでグループとしての活動は一段落、それぞれのソロやユニットに戻るかと思いきや、再び攻めの一手を繰り出してきた。

 しかもKREVAは先日に新作『存在感』をリリースしたばかり。8月31日にはKREVA主催の『908 FESTIVAL 2018』、9月1日にはKICK THE CAN CREWのワンマンライブ『現地集合~武道館ワンマンライブ~』が、それぞれ日本武道館で開催される。

 つまり、KREVAはソロとグループの活動を完全に並行させて進めているわけだ。それぞれのクリエイティブについてKREVAに話を聞くと、こんな風に語っていた。

「キックに関しては、自分のプロジェクトと全く逆で、みんなの意見を全部取り入れて乗っかっていく作り方ですね。『コラボとかどうですか?』『いいんじゃない?』って」

 ファンキーなベースライン、カッティングギターとストリングスの響きが印象的な、ディスコサウンドの「住所」。実は曲の原型はかなり違うものだったらしい。

「最初はすごくメロウな曲で岡村さんとやるのが面白いかなって思ってたんですよ。俺が作ったのは全然違ってて、チルウェーブみたいな感じだったんです。でも、岡村さんが『蔦谷くんを入れて派手な感じにするのはどうですか』って言って。コウちゃん(蔦谷好位置)は友達なんで連絡して。そこからファイルのやり取りをしたり、岡村さんのアイデアをもらったり、それこそみんなで作った感じ。それを楽しんでる感じですね。自分でKICK THE CAN CREWをこうしてやろうとか、こんな風になってやれという意志はまったくない」

 蔦谷好位置はTwitterで楽曲の制作風景を明かしている。

 それを見ても、蔦谷好位置のサウンド面での貢献は明らかだろう。

 曲の構成も実はかなりユニークだ。ディスコなので基本的には四つ打ちのビートの上で同じコード進行がループしていく展開。その上でMCUとLITTLEがラップし、KREVAが歌い、さらに岡村靖幸が二つのヴァースを歌う。曲の後半には転調も織り込み、最後は3人の掛け合いのラップで終わる。かなり盛り沢山な構成だ。

「分量を同じにしたかったというのはありますね。でも最後のラップは岡村さんのアイデアです。『一瞬で全員が覚えるようなラップを作ってくれ』ってとんでもないハードルの高い要求があって。それで頑張って書きました」

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