ローレル・ヘイローからマイルス・デイビスまで 小野島大のエレクトロニックな新譜10選

Rejoicer『Energy Dreams』

 一部では「イスラエルのハイエイタス・カイヨーテ」なる異名を持つバターリング・トリオ(Buttering Trio)のメンバー、リジョイサー(Rejoicer)ことユヴァル・ハヴキンの5年ぶり2枚目のソロアルバムが『Energy Dreams』(Stones Throw / BBQ)。LAのアブストラクトヒップホップの名門<ストーンズ・スロウ>からのリリースです。サイケデリックでダビーでアンビエントな浮遊感を漂わす極上のエレクトロニックR&B〜アブストラクトヒップホップ。音のレイヤーの重ね方にセンスがあって、抜群に洗練されたサウンドですね。個人的にはバターリング・トリオよりもいいと思います。MVもヘンで面白い。9月10日発売。

Rejoicer – Double Astral Move
Rejoicer – Purple T Shirts – feat. Mndsgn

https://itunes.apple.com/jp/album/energy-dreams/1387039642

Dorian Concept『The Nature of Imitation』

 この記事が出る頃には『SONICMANIA 2018』の出演を無事終えているはずのオーストリア生まれの電子音楽家ドリアン・コンセプト(Dorian Concept)の4年ぶり新作が『The Nature of Imitation』(Brainfeeder / Beatink)。フライング・ロータスのライブサポートをやった縁もあってか、彼の主宰する<ブレインフィーダー>からのリリースです。音の粒が飛び跳ねるようなイキのいい肉体的なエレクトロニックサウンドとポップで人懐っこいメロディ、予想のつかない展開、予断を許さない奇抜なアレンジと、いつもながら才気煥発です。先のDÉ DÉ MOUSEにも少し通じるものがあるかもしれません。ここのところ契約アーティストの幅を広げているブレインフィーダーの動向にも注目ですね。

Dorian Concept – ‘J Buyers’
Dorian Concept – ‘Promises’
Ross From Friends『Family Portrait』

 やはり『SONICMANIA 2018』に出演したロス・フロム・フレンズ(Ross From Friends)も、<ブレインフィーダー>から1stアルバム『Family Portrait』(Brainfeeder / Beatink)をリリースしました。いわゆるローファイハウスの文脈から出てきた人ですが、弱冠24歳、ハイエナジーやイタロディスコのDJをやっていた父親の影響で音楽を作り始めたという彼の経歴や、様々な時代のダンスミュージックの快楽部分だけを抽出したような荒々しくも甘美で、かつエッジの効いたサウンドには強烈な「次世代感」が漂います。サンプリングのセンス、リズム・アレンジの多彩さとメランコリックな上モノ使いは、近来希にみる大物感を漂わせています。

Ross From Friends – ‘Project Cybersyn’
Ross From Friends – ‘Don’t Wake Dad’

インタビュー

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