『SUPER BALL』インタビュー
DOBERMAN INFINITYが語る、“DOGG YEAR”で培ったチーム力「新しい扉を開いた」
KAZUKI「すべてがサビみたいなパワフルな楽曲」
ーー8月15日に『SUPER BALL』、9月26日に『YOU & I』と、2カ月連続でのシングルリリースです。まずは前者の表題曲「SUPER BALL」から、そのコンセプトや狙いを教えてください。
P-CHO:2カ月連続リリースになったのは偶然で、夏曲として「SUPER BALL」を準備していたところに映画『DTC -湯けむり純情篇- from HIGH&LOW』の主題歌のお話をいただいたという流れなのですが、結果的に良い感じで対比的な作品になったと思います。「SUPER BALL」は、DOBERMAN INFINITYらしくテンションの上がる夏の一曲を作ろうというところからスタートして、どんな方向性の楽曲にするか詳細を話し合っていたときに、KAZUKIがオケとトップラインを作ってきてくれました。そこに、SWAYが“SUPER BALL”というキーワードを付けてくれて、みんなでブラッシュアップしていった感じです。
SWAY:DOBERMAN INFINITYでどんな楽曲を作りたいか、僕は常にメモをしていて、そこにあったアイデアの一つがこの“SUPER BALL”というキーワードなんです。“SUPER BALL”って、バウンシーでカラフルで、天真爛漫な子供のイメージもあって、すごくDOBERMAN INFINITYに合っていると思うんですよね。楽曲のイメージも膨らみやすいかなと、みなさんに提案させていただきました。
KUBO-C:SWAYはよく歌詞のテーマやコンセプトを持ってきてくれるのですが、その閃きにはいつも関心させられます。加えて、今回はKAZUKIがトータルプロデュースも手がけてるんですよ。
KAZUKI:僕が最初に出したトップラインに対して、皆さんがすごく良いラップを乗せてくれたおかげで、この楽曲は良い方向に向かったと思います。最初から最後まで、すべてがサビみたいなパワフルな楽曲で、どんなラップを乗せるかでこんなにイメージが変わるんだって、改めて感じました。
GS:ラップのスタイルにも今回はかなりこだわっていて、ひとりでも多くの方に届けられるように工夫を凝らしています。日本語のラップには、早口で何を言っているのかわかりにくいとか、難しいというイメージがまだあるんですよね。でも、ラップだからメッセージを届けられないということはないはずで、逆にどうすれば聞いてもらえるのかをすごく考えました。具体的には、〈テンションいつもの倍の倍の倍 アクセル全開!!〉のように、シンプルな言葉の繰り返しや、わかりやすい脚韻(単語の後ろで韻を踏むこと)を強調することで、一発で覚えてもらえるようなキャッチーさを意識しました。K-POPのいわゆるフックソングに近い発想かもしれません。
KUBO-C:わかりやすいフロウをいつも以上に意識したことに加えて、バースでもフックと同じくらいのインパクトが感じられるように、言葉のチョイスやその言い回しにこだわっています。この辺りはKAZUKIプロデューサーのディレクションですね。一方で、リリックでは男心を率直に表現しているというか、欲求をそのまま言葉にすることに徹しました(笑)。
ーージャケットのデザインも、とても健康的なイメージですね。
SWAY:素晴らしい表現ですね(笑)。ジャケットの方向性についても今回はかなり話し合って、いろんな方向性のプランを練りました。最終的に、このような健康的なデザインに落ち着いて、見る人の想像をかきたてる仕上がりになったと思います。
KUBO-C:胸に手形の日焼け跡が付いているのがポイントですよね。かなり長い時間、手をあてがっていないとこういう跡は付かないはず。手をあてがっていた人物も、とても元気の良い方でしょう(笑)。
ーー2曲目の「HELLO」 は、ピースフルなメッセージに溢れた温かい一曲です。
GS:「HELLO」 は、ハワイ育ちのSUNNY BOYをプロデューサーに迎えて、老若男女を問わずに歌える楽曲を目指しました。前身のDOBERMAN INC時代のメンバーであるTomogenと、はじめてアメリカのアトランタに行った時、彼は現地のフレンドリーな文化に触れてすっかり楽しくなって、すれ違う人みんなに「HELLO! HELLO!」って挨拶しながら歩いていたんですよ(笑)。見知らぬ人にも気さくに挨拶を返してくれるのは、アメリカの素敵なところで、そういうフレンドリーさは見習いたいところです。もしみんながオープンな心で挨拶し合って繋がっていけば、今よりさらに楽しい毎日を送ることができるのではないかと思います。そういうメッセージを、この楽曲には込めました。
ーー3曲目の「GET UP AND DANCE」では一転、DOBERMAN INFINITYのストイックな一面を見せていますね。
P-CHO:この曲は、僕とR&BシンガーのJAY’ED、そしてトラックメイカーのNAOtheLAIZAの3人でやっているOLDMANWILDIN’という制作チームで作りました。「SUPER BALL」と「HELLO」というコンセプトの明快な曲があった上での制作だったので、良い意味で肩の力を抜くことができたのが良かったです。DOBERMAN INFINITYがもともと掲げてきた“オールラウンドヒップホップ”の精神を表現したもので、この楽曲があることで、芯の通ったシングルに仕上がったのではないかと思います。僕らは今、ホールツアーをやっているところですが、ドームクラスの会場でライブができるグループになるという初心を忘れているわけではありません。音楽を続けることで夢を叶えていくんだという決心を、改めて表明する楽曲です。